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2023年11月30日

高橋樺子の ウチナーしまぐくる|沖縄音楽旅行Vol.49 連載コラム

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高橋樺子のウチナーしまぐくる|沖縄音楽旅行Vol.49 連載コラム
なにわの歌姫、高橋樺子。沖縄の自然、歴史、文化、音楽、あたたかい人々……。
沖縄移住のふれあいのなかで感じた沖縄を徒然なるままに綴り、
島の心を育んでいきます。

「さっちゃんの聴診器」誕生記
文|作詞家 もず唱平

ハイタイ! 高橋樺子です。今回の連載コラムは、私が所属する「UTADAMA MUSIC」からの第一弾シングルとなった「さっちゃんの聴診器」について、作詞をなさったもず唱平先生に執筆していただきました。どうぞ、ご一読ください。

ある日、机に向かうタイミングの小休止、いつものルーティンでテレビのリモコンのチャンネルを指で押さえた。数字の若い順番は当然で、まずはNHKだ。と、アナウンサーが語りだした。
♪立ちん坊人生味なもの 通天閣さえ立ちん坊さ……。今もこんな歌が唄い続けられている街、通称「釜ヶ崎」と呼ばれる大阪のスラム街での話……。
 
うん? 何だ!? 我が作詞家デビュー作『釜ヶ崎人情』の歌詞ではないか。作家名こそないが、自作の歌だ。番組タイトルに『事件の涙』とある。何年も続いている評判の番組らしい。内容はスラムの住人達に献身的な医療に取り組んだ、通称「釜ヶ崎」のマザーテレサと云われた女医矢島祥子さんの話。四十路にもならず不審死。検死の結果、警察は自殺と発表した。

「そんな阿呆な!?」

「さっちゃん」先生に診て貰っていた患者達を中心にもう一度検死をやりなおして貰いたいと騒ぎになったのである。「あんな明るくて女神さんみたいな人が自殺する訳がない」と、警察に嘆願する動きも出て来た。土地柄だけに覚醒剤のヤミの流通網に「さっちゃん」先生が気付いて、彼らの世界の人間に殺されたのではないか? 風聞には根拠が幾つもあった。検死報告書にも疑義を持つ専門家も現れた。遺族が黙っておれる筈がない。故郷の両親は医者である。毎月「釜ヶ崎」にやって来て〝事件〟に関わる情報を得るためにチラシ配りをしているという。

思うだに大変なことだ。小生は歌作りのため五十余年前、一年間「釜ヶ崎」に通い詰めた。何の実績もない作詞家志望が挑戦するジャンルは、抒情の世界でも叙事詩の世界でもない。ドキュメンタリーしかないと思い立った。勿体つけて云えば非体制の人間、流れ者と呼ばれる、儘ならぬ生活を強いられている人間の暮らす世界。その中で信じたいのが人情。それが歌のテーマである。

「釜ヶ崎」を誰よりも知っている自負があって、そこで献身的な医療に携わる女医が自殺する筈がないという確信がある。これは何とかせねばの思いが募り、汚名を払うチャンスを歌に求めたのであった。もし、世の人の愛唱歌になってくれたら「さっちゃん」こと矢島祥子医師の汚名を晴らすチャンスが出来る、そんな思いからの歌作りであった。

【写真キャプション】
❶2023年春、群馬県高崎市イベント「さっちゃん、お帰りなさい」を終えて
❷西成公園夏の日の集いの矢島祥子 ❸西成警察署に向かう矢島祥子両親
❹鶴見橋商店街でビラ配りをする高橋樺子 ❺ さっちゃんの聴診器CD
❻2023年1月、大阪日日新聞記事

ARTIST INFORMATION

【高橋樺子 PROFILE】
2007年関西歌謡大賞 (レコード商組合主催の音楽祭) でグランプリ受賞。 2011年6月 「がんばれ援歌」でデビュー。2015年、戦後70年目を迎え、平和の尊さを訴える祈念歌「母さん生きて」を発表。これは被爆の実話から誕生した曲。2018年1月 「四丁目のスナック」、「宗右衛門町ブルース」 を発売。 2022年より、沖縄に活動拠点を置き、島唄とやまとうたを融合した新しい音楽を追求する作詞家、もず唱平氏の下、自身も三線、三板等の演奏に挑戦中。4タイトル連続リリース第一弾「さっちゃんの聴診器」を2023年1月に、続いて第二弾となる「ウートートゥ」を4月26日に、さらに第三弾として「うりずんの二人」を7月24日にリリースした。
高橋樺子 Official Website
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【高橋樺子 FM那覇番組「聴いてもろて何んぼ」スタート!!】
高橋樺子の FM那覇ラジオ番組「聴いてもろて何んぼ」がスタートしました。毎週金曜日午後10時よりスタート! 番組では、沖縄県内在住の移住者の方で、ふるさと自慢のコーナーに出演していただけるゲスト、並びに、沖縄県内の子ども食堂の情報をお待ちしております! 番組へのコメント、情報は以下! ぜひ、番組作りにご協力ください!!

番組名:「聴いてもろて何んぼ」
放送局:FM那覇 78.0Mhz
放送時間:毎週金曜日22:00〜
パーソナリティー:高橋樺子
Email :info@utadama-music.com
FM那覇:https://www.fmnaha.jp/
視聴方法:https://www.fmnaha.jp/listen-net

もっと生きたかった誰かの為に……
「平和に生きてゆく」意味を、改めて考えさせられる作品

「さっちゃんの聴診器」の主人公である大阪 西成に実在した女医 矢島祥子さんの半生を、作詞家もず唱平氏が描いたドキュメント。沖縄で研修医として働いていた矢島祥子さんは、研修後、大阪の病院に就職し、その頃からボランティア活動に目覚め、大阪市西成区のあいりん地区にてホームレスの支援活動に従事することになった。その活動ぶりが大変好評で、「西成のマザー・テレサ」との異名までついたが、2009年に不可解な死を遂げてしまう。実兄にあたる作曲の矢島敏氏は、真実を解明する活動を起こすなか、この町には欠かせない応援歌「釜ヶ崎人情」の作家もず唱平氏と出逢い、意気投合、今作品の発表に至った。この歌のメッセージ、それを伝えてく使命を授かったのは、なにわの歌姫 高橋樺子。高橋は、2022年に沖縄に移住し沖縄を拠点に世界中に平和のメッセージを届けたいと準備を重ねてきた。彼女にとって 5年ぶりのシングルとなる「さっちゃんの聴診器」は、沖縄での活動の幕開けの曲であり、平和をテーマに歌い続けてきた彼女にとって、また新たなるスタイルの平和を求めた楽曲でもある。 「もっと生きたかったこの町に、もっと生きたかった誰かの為に」というメッセージが、いまの世の中で「平和に生きてゆく」という意味を、改めて考えさせられる。軽快なリズムと美しいメロディーに乗せて、高橋樺子が軽やかに歌い上げている「さっちゃんの聴診器」、令和の名曲がここに誕生した。

【高橋樺子/さっちゃんの聴診器】
ARTIST:高橋樺子
CD TITLE:「さっちゃんの聴診器」
RELEASE: 2023年1月26日 
PRICE:1,000円(tax in)
CODE:YZUD-15001
詳細:UTADAMA MUSIC OFFICIAL WEBSITE

高橋樺子「さっちゃんの聴診器」Music Video


高橋樺子 INTERVIEW |沖縄音楽旅行Vol.46 WEB版
 沖縄移住し音楽活動を始めた、なにわの歌姫
 高橋樺子が平和の心を届けていく

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