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2011年12月27日

<沖縄音楽旅行 Vol.1>100OKI INTERVIEW「DIAMANTES」

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楽しい音楽、感動する音楽が詰まった 活動20周年を飾るにふさわしいアルバム 『CONTIGO』が完成!!
LIVE PHOTO:Kise Moriaki

結成20周年を迎えたDIAMANTESから届けられたアルバム『CONTIGO』。「あなたとともに音楽があり、何らかの形で人を元気づけられたらいいな」という想いを込めて作られた、特別な一枚について話を聞きました。

― デビュー20周年を記念して発売された『CONTIGO(コンティーゴ)』。この作品にはいろいろな想いが込められていますよね。
トム 去年、ベストアルバム『HISTORIA(イストリア)』をリリースしたあと、ワンコーラスだけ、一番だけって感じでデモの音源を録っていました。
アルベルト DIAMANTESにとって2011年が本当の20周年になるから、アニバーサリーの意味も込めたアルバムの制作に向けて、今のアルバムに入っている曲の倍の音をテープに録っていました。いつも以上にターボが作詞した作品を持ってくるし、スムーズに曲が溜まっていったのもあって今まで以上に作品に対して期待が高まって、間違いなく20周年に向けてふさわしい作品ができるって信じてやっていた。でも、全国放送でも伝えられたから知ってる方も多いと思いますが、今年の一月にターボが行方不明になったんです。僕らもなんで? って理解できなくて、未だに答えが出なくて。まさか、2011年をこういう形で迎えるなんて思っていないから、ただ事じゃないって感じて……。でも、どんなときでも、何らかの形で立ち上がらなきゃならない。メッセンジャーとし置かれてる状況を誰よりも早く理解してどう受けとめるか、どういう形で歩んでいけばいいのかっていうのを早く消化しなきゃいけないって思ったんです。きっと、ターボもそう考えてるかもしれない。彼なら、僕らの背中を押してくれるだろうと。だから、トムと話し合いをするわけでもなく、「3人でデモとして録っていた音を大切にして、作品として出そう」って迷わず決意して、スケジュール通りスタジオに入って制作を進めました。3月の東日本大震災もあって、本当いろんなことを学びながら『CONTIGO』を作りましたね。

ー ターボさんが作り出したメッセージや音、そしてDIAMANTESの音がしっかりと詰め込まれているアルバムが完成したんですね。
アルベルト レコーディングを進めていくなかで、ターボが音を残してくれただけに存在というものを確認出来て、彼という存在の大きさを余計に感じた。彼のすばらしさが音楽に残っているんですよね。受け継ぐ音楽があって、それを誰かが拾ってくれる。例え生み出した人間が去って行ったとしても、もうこの世で演奏していなくても、残った音楽を誰かが拾ってくれたら何よりも幸せなことなんだろうなって思います。僕らがやってることって音として残るわけだから、そこからまた次に繋がっていくこともあるかもしれない。一言では表せられないけど、今回のアルバムを聴くといつものDIAMANTESが存在しているんです。「僕らはどんなことがあっても姿勢は変わらない」っていうのが音を聴いてくれれば分かるというか……。本当、このアルバムがDIAMANTESの全てですね。


― そのDIAMANTESの要素がたっぷりと詰め込まれた『CONTIGO』。宮沢和史さんやモンゴル800のキヨサクさん……と、多くのアーティストの方も参加されていますよね。

アルベルト これまでDIAMANTESとして活動した20年という時のなかで出会った、たくさんの仲間や最近出会ったアーティストの方に参加してもらいました。決して沖縄だけではなく、沖縄という枠を超えた作品が完成しました。宮沢和史さんは「沖縄」という場所が縁で出会って、同年代でもあるんです。僕ら、ずっとアーティストとして活動してきたけど、どのバンドにもあるでしょ? 変化というか……、活動しているのかしていないのかっていう苦しい時期が。そういう大変な時期が2年前にあったとき、宮沢さんが「20周年まであとどれくらい? あと2年なら、それに向かってやろうよ」って言って背中を押してくれた。そのひと言がとっても大きかったんです。そこで、「ファンの方とかたくさんの人がDIAMANTESに期待しているし、待っている。元気なDIAMANTESが見たいって思ってくれている」……ってことを思い出して、20周年に向かってがんばろうって思えたんです。それぞれの楽曲に何らかの形で参加し合ったりしてて、一緒に楽曲を作るって作業は今までにもあったんだけど、今回はとくに宮沢さんがいないとダメでしょうって。でも、ターボの音源を元に作りあげていきたかったから、そうなると作詞かなって。それで、彼にしか書けないだろうと思った、「Adagio」っていうクラシックに詩を付けてもらったんです。この曲はアメリカとかヨーロッパとかで特別な日にかける曲で、神様とか偉大な何かに対しての音楽みたいなものなんです。重厚さがあって簡単に歌詞がかけるような曲じゃないから、日本語で歌詞を書くとなるとさらに難しい。そこで、僕らのことをよく理解してくれている、彼だったらDIAMANTESらしいすばらしい歌詞を書いてくれるだろうと思って作詞をお願いしました。音楽的にはちょっと暗い楽曲だったので、正直アルバムに入れるのは悩んだんですが、結局はこのアルバムに必要な一曲だと思って収録しました。
トム 歌入れのときにも宮沢さんは石垣にいたんですけど、わざわざ石垣から出てきてくれて、レコーディングのときにいろいろレクチャーしてくれました。歌詞の意味合いや歌い方とかね。
アルベルト キヨサクの作った「おめでとうの歌」は、20周年ということで、自分たちにおめでとうって意味も込めて作りました。あとは、日常的なおめでとうにも歌ってもらえるようにね。ターボのことや3月に起きた東日本大震災もそうだけど、僕たちだけじゃなくて、日本的にもいろいろありましたよね。それでも毎日新しい命が生まれて、花だって咲く。そして、朝も来る。だから、生きていることに感謝して、おめでとうって言葉を敢えて言いたいなって。この曲を出すタイミングも含めていろいろ考えたんです。それに、この曲をやるとき、僕はターボと「思い切ってやろうね! おめでとうをやろう! 」って話しもしていたから。あとは、紫のジョージ紫さんが参加してくれた「I’ll Fly You to the Moon」、下地勇さんの「アイヌバナ」が収録されています。

― 活動されて20周年ということですが、アーティストとして活動するなかで徐々に変化していったことってありますか?
アルベルト そうですね、大きくは変わってはないと思います。僕らってミクスチャーバンドだから、新しいジャンルが生まれたらそれも取り入れてみたいって思うんです。逆に僕らが作り出したものに、「これ新しいかも」って思えるものもあるし。DIAMANTESっていうバンドって、決して一言のジャンルではいい表せれないんです。
トム でも、一言でまとめると「良い音楽か、悪い音楽か」ってことで、楽しい音楽、感動する音楽が作りだせているかってこと。
アルベルト すごいこと言うな(笑)。でも、本当そう。白か黒なんです。そう考えると怖いよな。
トム このアルバムの中にあるカバー曲は、DIAMANTESを結成したときに演奏していた曲なんですね。当時と同じスタンスで20年続けてきた。でも、聴いている人たちが喜んでくれるなら演歌もやるし、「琉神マブヤー」みたいな曲もやる。
アルベルト そうだね、僕らオリジナルがない頃から好きな音楽をカバーしたりして演ってきて、自然な形で出会った曲は今も歌ってるもんね。いろんな楽曲に育てられた感じがあります。「琉神マブヤー」は面白いよね。たまに、聴いてるときに「あっ、これ僕が歌ってるんだよな」って思うときがあって。ヒーローものの音楽なのに、僕の歌い方がなんか合ってるんだよね(笑)。

― 子どもたちからしたら、DIAMANTESさんもヒーローですよ? 「琉神マブヤー」をきっかけに小さな子もDIAMANTESさんの歌を口ずさむようになって、さらに沖縄から音楽を発信するアーティストとして欠かせない存在になりましたよね。沖縄から音楽を発信するなかで、アーティストとして感じとることってありますか。
トム とくには意識してないけど、ただ沖縄で活動しているからにはウチナー口も使うし、三線も使うし……。それは沖縄にいれば自然なことですよね。DIAMANTESにはペルー出身のアルベルトがいるからペル―の楽器も使うし、チャンプルー文化が音楽に反映されています。沖縄で生まれた曲を、沖縄県外、海外の人が聴いて楽しんでくれたらさらにうれしいっていうのはあります。
アルベルト 沖縄県外でライブをするときは、なんか緊張するよな。やっぱり雰囲気違うし。でも、どこかに「沖縄ここにあり」って意識するよね。そう、絶対忘れちゃいけないことがあって、僕らはターボの作ったライブハウスパティで、20年前の9月20日にDIAMANTESの音を出したんです。その日からDIAMANTESがスタートしたんだけど、その音を出した瞬間、「あ、このバンドのサウンドっていい。この場所、沖縄って何か持ってる」って感じたんです。そのときはオリジナルが一曲しかないような時期だったけど、いつかこのバンドを沖縄に見てくれるようなバンドになりたい。そう思ってくれたら、すごくうれしいなって思った。だから、メジャーデビューしても沖縄にこだわって、沖縄から音楽を発信してるんです。そのスタイルは最初のころから変わらないはず。僕らって、DIAMANTESとしてのあり方みたいな定義を決めずに活動してきました。いちばん分かりやすいのは、ホテルやライブハウスで音楽を聴いてもらう側としてお客さんに喜んでもらうため、ときにはカバーもするってことかな。でも、何かを提供しながら新しいものも作り出すし、沖縄に遊びにきた観光客の方に「沖縄いいな」て思えるようなものを作ろうって思ったりもする。DIAMANTESの音を楽しみにしてくれている人に応える……、分かりやすくいえばサービスですよね。僕たちの音楽を聴きに来てくれたお客さんの目の輝きを見て、こういう曲が好きなんだ、こういうリズムだと踊ってくれるんだ……っていうのを感じながら音楽を続けてきました。だから、みんなとのふれあいの中で生まれた曲がたくさんあります。僕らが音楽性を広めるんじゃなくて、聴いてくれた人が音楽性を広めてくれた感じ。今あるDIAMANTESの形っていうのは、自然に作り上げられていったのかな。今だから、「DIAMANTESの楽曲は、聴いてくれる人も含めてみんなで作ってきた」って、言えます。沖縄という大きな船に乗って、音楽っていう大きな風を受けながら、僕らは旅している。ペルーに行ったり、アメリカに行ったり、ブラジルに行ったり、沖縄にいながらにして、いろんなところを旅している感覚になりますね。もちろん、沖縄は島なんで動かないですけどね(笑)。

ー 20周年という節目を迎えたからといって、明日から何かが変わるというわけではないですよね。今まで作り上げてきたDIAMANTESさんの軌跡にさらに時間が刻みこまれていくというか……。でも、さらにこれから5年、10年……って考えたとき、DIAMANTESとしてどういう位置にいたいと思いますか?
アルベルト 「こんな舞台に立ちたい」っていうのは考えます。絶対、紅白出てやるぞ! とかね(笑)。それは僕らだけではなく、いつも見に来てくれているファンの方も望んでくれているから。それを実現するためには、音楽をやり続けないとね。DIAMANTESみたいなタイプの大所帯でサウンドを出すバンドって、沖縄じゃなければ生まれてないと思うんです。沖縄って何か歴史を変える、すごい力を秘めている。でも、みんなそういうのを意識しないで、普通に生きてるんですよね。世界ウチナーンチュ大会もあったけど、この島は本当に大きくうねって物を動かしてる。だから、さっき言った沖縄=船っていうイメージ、間違ってないのかもしれない。沖縄の人ってシャイだから、「行くぞ! ついてこい! 」ってタイプではない。先陣をきる人間を待っていると思うんだよね。だから、僕たちが音楽を通してみんなの気持ちを代弁して、そこで歴史を変えるような何かすごいことをやってみたいんです。DIAMANTESが今までにリリースした中に「片手に三線」という曲があるんだけど、その曲を携えてね。そこには攻撃的なものはないし、沖縄の精神「いちゃりばちょーでー(=一度会ったらみんな兄弟)」が詰まってる。僕はペルーで生まれて20歳までペルーにいたけど、元々はウチナーンチュ。沖縄に来てもう25年になるけど、「人の気持ちを大事にするこの沖縄に出会わなければ、僕はどうなっていたんだろう」って本気で考えるときがあるんです。沖縄に来たとき、すでに大人だったはずだけど、生まれ変わるくらい受けた衝撃とか、自分もこの島で学んだことってどれだけあるか……。そう考えると、僕がいるのはおじいちゃん、おばあちゃんのおかげですよね。こうやって沖縄に関わっていけることが、本当に幸せです。
トム やり続けるしかないですよね。僕たちは20周年経ったけど、もっと長く音楽を続けている人はいっぱいいるから。スターダストレビューさんや小田和正さんだったり……。ライブを見たら本当すごいんですよ。あと、ベンチャーズが活動スタートしてから50年なんです。そういう人たちのライブを見たら、僕たちなんてまだまだぺーぺーです。

―では、最後に読者の方にメッセージをお願いします。
アルベルト どのミュージシャンの方も「あなたと共に音楽があり、何かの形で人を元気づけられるといいな」って思っていると思うんです。このアルバムを聴いてくれたら、僕らはどんなことがあっても音楽に対する姿勢は変わらないっていうことが伝わるんじゃなかな。あと、ターボにも、「あなたとともにやっているんだよ」っていう想いを届けたかったから、アルバムのジャケットの真ん中にはギターもあるんです。この絵はターボの事を思いながら僕が書いたもので、これだったらカラフルだし、明るいし、きっとターボも喜ぶんじゃないかなって思って。これに合う言葉が「CONTIGO=コンティーゴ」だったんです。
トム 『CONTIGO』って、「あなたとともに」って意味が込められているんです。いつもDIAMANTESの楽曲を聴いてくれる人がいるからこその完成したアルバムなので、じっくり聴いてほしいです。

<PROFILE>
1991年結成。DIAMANTESとは、スペイン語でダイヤモンドを意味する。アルベルト城間(Vo、Ag、Per)、トム仲宗根(B、Cho)ほか、サポートメンバーとともにライブ等の活動を行う。オリオン麦職人のCM曲でお馴染みで、9月20日を持ってアーティスト活動20周年を迎えた。



【DIAMANTES/『CONTIGO』】

ARTIST:DIAMANTES
CD TITLE:『CONTIGO』
RELEASE:11年9月20日
PRICE:2,500円(tax in)
CODE:HICC-3322


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