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2019年9月6日

【REPORT】Trans Asia Music Meeting 2019 – Summer Edition-

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Trans Asia Music Meeting 2019 – Summer Edition-
トランス・アジア・ミュージック・ミーティング -サマー・エディション-
機能するアジアの音楽ネットワークの構築を目的としたカンファレンス『Trans Asia Music Meeting 2019 – Summer Edition-』が、音楽で日本とアジア・海外をつなぐ関係者を沖縄に招き2019年8月31日(土)〜9月1日(日)の2日間、桜坂劇場にて開催されました。

アジアの音楽シーンの現状
ここ数年アジアの音楽シーンは、かつてないほどの活況を呈しています。台湾や韓国、タイなどからは、インディーズながら独自にワールドツアーを組むことができるバンドがいくつも登場しています。近年、日本からも精力的に海外を目指すバンドが登場してきてはいますが、音楽シーン全体に浸透してきているという実感は薄いのが現状です。沖縄の音楽シーンも海外マーケットに目を向けることで多くのチャンスを創出することができることは間違いありません。

2日間で7つのセッション開催!
海外マーケットへのアプローチを具体的に紐解きました
今回の 「TAMM Summer Edition」では、音楽で日本とアジア・海外をつなぐ関係者を沖縄に招き、それぞれの活動を紹介するとともに、協働の可能性を探りながら、具体的にどのように海外マーケットにアプローチしていくかということを考えていきました。
沖縄をはじめ、日本国内、アジアそれぞれの立ち位置から、点としてではなく、線、面として、音楽を発信することの大切さを感じるカンフファレンスとなりました。
何より、参加した沖縄の音楽関係者のみなさんは、日本の音楽シーンに対する大いなる危機感と、すぐにアプローチすべきいくつかの事柄について確信を得たと思います。
パネリストのみなさんの実践に基づいた分析やアイデアを共有し、沖縄・日本から、アジア・海外への音楽発信の機運を高める場ともなりました。以下は、Trans Asia Music Meeting 2019 – Summer Edition-のレポートです。ご一読ください。

Trans Asia Music Meeting 2019 – Summer Edition- Programme
テーマ:沖縄・日本からアジア・海外の音楽マーケットへのアプローチ

A面:プレゼンテーション

2019年8月31日(土)
Session 1:16:00-16:50
野田隆司氏「Music from Okinawa アウトライン2019」
「Music from Okinawa」のふたつの目的(1.沖縄音楽を海外に発信 2,沖縄発のアジアの音楽ネットワークの構築)を明確に提示し、これまでの取り組みの実例に沿った実績の報告と今後目指していく方向性とシステムを提案した。

齋藤幸平氏「音楽産業都市・福岡のいま」
福岡で9月に開催される5つの大型の音楽フェス(・Sunset Live・NAKASU JAZZ ・KYUSHU GOSPEL FESTIVAL・FUKUOKA ASIAN PICS ・MUSIC CITY TENJIN)を統合的にPRする「FUKUOKA MUSIC MONTH」の活動事例をプレゼンテーション。FMMの理想は、福岡が東アジアのハブとして日本最大の音楽産業都市となること。その未来像、ビジョンを語り講演を締めくくった。

Session 2:17:00-17:50
寺尾ブッダ氏「中華圏音楽マーケットアップデート」
ライブスポットを東京と台湾で展開する寺尾氏。日本のバンドのアジアの音楽シーンへのコーディネートも担当している。中国、台湾、香港のフェスや音楽シーンと実際にコーディネートしたアーティストの実例をもとに分析、アジアでブレイクスルーするためのいくつかのアイディアを提示した。

西村 等氏「FEVERはいかにアジアを目指すのか」
下北沢の隣の駅、新代田にライブハウス「FEVER」を開業し10年。何もない街にライブハウスを定着させた。その実績をもとに、ライブハウスFEVER自体のPRを目的に、ゆかりのバンドとともに「FEVER TOUR in Bangkok」をタイでスタートさせた西村氏。その実例と今後の展開について、独特の語り口でプレゼンテーションした。

2019年9月1日(日)
Session 3:13:00-13:50
古市卓也氏「Tokyo International Music Marketの役割」
「Tokyo International Music Market」は、今年で16回目を迎える日本の音楽の海外展開および国際交流を行う国内唯一の音楽マーケット。新人若手クリエイターの活躍の機会創出、先進技術を活用した新たな連携、新興マーケットへの進出モデルの確立をテーマに、海外バイヤーとの「個別商談会」、「ビジネスセミナー」、「ショーケースライブ」を柱として開催。TIMMこれまでの実績をもとに海外マーケットの可能性に言及した。

末﨑正展氏「海外マーケットへ日本からのストリーミング活用事例」
25年に渡るユニバーサル・ミュージック在籍時、150枚近くのアルバム制作に携わった末﨑氏。現在は、音楽サブスプリクション・マーケットに日本の音楽をいかに届けるかを模索、後進の育成プロデュースにも尽力している。世界の音楽コンテンツの動向、ストリーミングマーケット言語比率などの分析をもとに、自身の音楽プロジェクト「Shizuma Project」で実証。サブスプリクション時代に取り組むべき事象が、危機感と緊急性をもって会場の音楽関係者にリアルに伝わる講演となった。

Session 4:14:00-14:50
宮良賢哉氏「ユネスコ音楽創造都市を目指すアイランダー・カルチャー」
クリエイティブで地産地消を唱える石垣市は、ユネスコ音楽創造都市の認定を目指している。アートや音楽で町おこしを行なっている世界の想像都市の分析や実例、現在の取り組みについて報告を行なった。

Nicolas Ribalet氏「沖縄音楽の海外ワールドミュージックマーケットでの可能性」
Nicolas Ribalet氏が2006年から実施しているワールドミュージック・フェスティバル「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」の紹介、世界的なワールドミュージックの分布とマーケットの分析、そして沖縄音楽が海外を狙うための現実的なアドバイスとサジェスチョンも。会場のバンドマンにも刺さるプレゼンテーションだった。

Session 5 :15:00-15:50
松本一晃氏「FUKUOKA ASIAN PICKSが目指す、アジアとの共創」
アジアの音楽と福岡の未来をテーマに、音楽都市・福岡から発信する音楽カルチャーイベントそれが「FUKUOKA ASIAN PICKS」。公演では、フェスの実例を用い、アジアの音楽マーケットの市場開拓プランなどを披露した。マネタイズやビジネススキームを見出すことは難しい状況ではあるが、何もしなければ「アジア戦略の未来は無い」と課題を提起、問題意識を共有する内容となった。

Ginn氏「バンコクから見たアジアの音楽シーン。そして今、日本からやるべきこと」
タイ・バンコク在住12年の日本人。日本とタイの交流に尽力、インディーズシーンを支援するためのレーベル「dessin the world」を運営。韓国、台湾などアジアのマーケットへ積極的にアプローチしている国々と日本の音楽シーンを比較。アジアの音楽ムーブメントに乗り遅れている危機感をタイ目線でリアルに伝えた。

B面:ディスカッション(現状の課題と解決に向けての動き)

Session 6:16:00-16:50
「ジャンルを超えた、異業種との協働の可能性」
アパレル・アクセサリーを中心とし21の沖縄の個性的なブランドが集結し、国内外へ発信していくプロジェクトを展開しているAPARTMENT OKINAWA 伊是名淳氏とMusic from Okinawa 野田隆司氏との対談形式で進行。沖縄音楽シーンとの協働の可能性を探るディスカッション、APARTMENT OKINAWAの運営の考え方を音楽に置き換えて考えたときに、面白い答えが導き出せる、大変興味深いセッションであった。

Session 7:17:00-18:00
「まとめ・今、目指すべきゴール」
今回Trans Asia Music Meeting 2019 – Summer Edition-に参加したパネリストが登壇、それぞれの私見をストレート披露。音楽関係者が早急に取り組むべき課題とTODOが明快に示された。

Trans Asia Music Meeting 2019 – Summer Edition- 取材後記

デジタルツールの発達とネットワークの進化、5G時代の到来で世界がより近くなる。インディーズ・アーティスト、本物の音楽家がアジア、世界にアプローチしやすい環境が加速度的に進化するのだ。しかし、行動しなければ何も起こらない。学ばなければ、チャンスに近づくプロセスが組み立てられないし、スタートすらできない。

今回「Trans Asia Music Meeting 2019 – Summer Edition-」の全てのセッション受け、たくさんの有益な知識を得、多くのアイディアも生まれた。しかし、このレポートには、あえて具体的に記述しなかった。それは、このカンファレンンスにぜひとも直に足を運んで欲しいからに他ならない。実際にパネラーに会い、コミュニケーションをし、自分なりに感じ、考え、ネットワークを構築することこそが大切なのだ。

沖縄のインディーズ・アーティストのみなさんには、ぜひとも危機感をもって、スピーディーに行動し、飽くなきチャレンジャー・スピリッツでアジアのマーケットに打って出て欲しい。その学びの場として、2月に開催される次回の「Trans Asia Music Meeting 2020」に参加することを心から勧めたい。

キーワードは、危機感と行動力!! ダイナミックな発想と展開で、2020年、世界に歌おう! 奏でよう!!

text:沖縄カルチャーの広告塔 幸田悟

Trans Asia Music Meeting 2019 – Summer Edition-
平成31年度 沖縄文化芸術を支える環境形成推進事業
支援:沖縄県・公益財団法人沖縄県文化振興会

Trans Asia Music Meeting 2019 – Summer Edition-
〜トランス・アジア・ミュージック・ミーティング2019 サマー・エディション〜

日程:2019年8月31日(土)〜9月1日(日)
会場:桜坂劇場
住所:沖縄県那覇市牧志3-6-10
主催:Music from Okinawa / 桜坂劇場
問合:桜坂劇場098-860-9555
支援:沖縄県・公益財団法人沖縄県文化振興会
後援:那覇市 2019年度 沖縄文化芸術を支える環境形成推進事業
料金:8月31日 1日券1,000円(文字をクリックすると購入ページにジャンプします)
9月01日 1日券1,500円(文字をクリックすると購入ページにジャンプします)
2日券2,000円(文字をクリックすると購入ページにジャンプします)

登壇者(順不同)
・末﨑正展氏(fun and games合同会社 / プロデューサー)・古市卓也氏(Tokyo International Music Market)・松本一晃氏(Fukuoka Asian Picks)・斎藤幸平氏(Fukuoka Asian Picks)・宮良賢哉氏(石垣市観光文化課)・寺尾ブッダ氏(月見ル君想フ / 東京・台北)・Ginn氏(dessin the world / バンコク)・西村 等氏(LIVE HOUSE FEVER / 東京)・Nicolas Ribalet氏(Sukiyaki Meets The World / 富山)・野田隆司(Music from Okinawa / 沖縄)

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