2012年4月8日
沖縄からエンタテインメントを世界へ発信!
2012年3月31日、第4回沖縄国際映画祭が閉幕した。
「オールエンディング」には地元沖縄のエイサー隊や、
BEGINや吉本芸人らが登場し、フィナーレの大花火で華やかに締めくくった。
大﨑 洋吉本興業株式会社社長の沖縄国際映画祭への想い。
将来のビジョン、ご覧ください。※このインタビューは、2012年3月29日に実施
沖縄のお子さんやオジィ、オバァの喜ぶ顔が観たい。
度肝を抜いた巨大スクリーンの出現!
今年で4回目を迎えた沖縄国際映画祭。
スイスから輸送された縦14.76m、横26.65mの
世界最大の移動式スクリーンがビーチステージに登場し、
沖縄国際映画祭のランドマークとなっている。
「昨年8月、スイス南部のロカルノで開催された『第64回ロカルノ国際映画祭』。
松本人志監督の『さや侍』が約8000人の観客の前でプレミア上映されました。
観客と松本(監督)と一緒に私も観ていたのですが、
上映終了後、8000人の観客が一斉にスタンディングオベーション。
このスクリーンの圧倒的な迫力と、感動は忘れられない。
そのとき、『沖縄の人にも同じ体験をしてもらいたい』と。
沖縄のお子さんやオジィ、オバァの喜ぶ顔が観たい、そう思ったんです」。
大型スクリーン導入のきっかけを目を輝かせて語る大﨑氏。
沖縄からアジア、世界に。ロマンがあるよね。
開催の都度、沖縄で開催する意義と今後の可能性を伺ってきたが、
回を重ねる毎にその想いも強くなる。
「昨年、東日本大震災の直後、賛否両論あったなか第3回沖縄国際映画祭を開催しました。
沖縄から『Yell,Laugh&peace』を発信できたことは、私たちは誇りに思っています。
そして、そのときの気持ちを忘れずに
さらに沖縄からアジア、世界に向けて多くのことを発信していきたいと思っています。
昨年末、ふと目をやったカレンダーにこんなことが書いてあったんです。
『アフリカのマダガスから昇る冬の太陽。
その陽の光は沖縄を通過して東京へと届いていく』。
沖縄からアジアへの発信というイメージがこの言葉から沸いて来たんです。
第4回目沖縄国際映画祭。この大型スクリーンの向こう側には、
日本、アジア、そして世界が広がっている。ロマンがあるよね(笑)」。
大﨑氏は、携帯電話のメモ機能を使ってその原文を書き残していた。
そのメモを私に見せながら、一字一句もらさずに朗読した。想いが伝わる。
こんな仕事があるんだと興味を持ってもらえると嬉しい。
沖縄エンタテインメントアイランド構想(仮)。
この映画祭には、表舞台に立つ、芸人やタレント、俳優、モデルはもちろんのこと、
カメラマン、ライター、レポーター、音響、照明、美術、ヘアメイク、企画、ディクター、
飲食関連、物販関連、などなどここに書きれない程さまざまな職業人々が携わっている。
まるで、エンタテインメント仕事博覧会のようだ。
「沖縄の子どもたちが、映画祭を通して
『こんな仕事もあるんだ』と興味を持っていただけたら嬉しい。
もちろん、楽しんでもらうことがいちばんなんだけども
楽しみながらも、何かしら気づきがあるイベントになればと。
その先には、沖縄エンタテインメントアイランド構想があります。
エンターテインメントを学び沖縄から発信する。
沖縄の未来に対して、お役に立てることを願っています」。
3月31日(土)第4回沖縄国際映画祭最終日には、
枝野経済産業大臣が視察、会談も行われた。
その席上で大﨑氏は、『沖縄エンタテインメント・アイランド構想』(仮)を
枝野大臣に説明した。
これは、氏が長年温めてきたプランでもある。
「沖縄から世界へ発信」を実現へと大きな一歩を踏み出した形だ。
枝野経済産業大臣は、映画祭クロージングセレモニーにも出席し
「沖縄国際映画祭には、活気と情熱があると感じました。
この映画祭を起点にして、笑いや映画など日本のコンテンツを
世界に発信していくことは、大変意義深いこと」とスピーチした。
沖縄のみなさんの協力が何よりの力。
「今回は、沖縄県内の民間企業・団地が集結『沖縄国際映画祭 協力会』が発足しました。
ポスターを配布したり、開催前には約200人が参加して清掃活動も行ってくださった。
こういう協力を得られるのは望外の喜びです」。
と、沖縄の協力態勢、その和も徐々に広がりつつあることに目を細める。
大きなビジョンを描きつつも、個と個の結びつきを何よりも大切にしている大﨑氏。
インタビューの締めくくりに熱いメッセージをいただいた。
「沖縄県民のみなさん、みなさんの協力が何よりの力です。
沖縄国際映画祭を一緒に作っていきましょう。
そしてアジアに! 世界に!! もっともっと発信しましょう!!」。
沖縄国際映画祭また来年!!
第4回沖縄国際映画祭は、
2012年3月24日からの8日間の期間中、過去最多の約41万人が来場した。
今年は沖縄協力会も発足し、県をあげてのお祭りの形も整ってきた。
次回、第5回沖縄国際映画祭は、2013年3月23~30日開催。
沖縄からアジアへ世界へ、美しい自然とともにエンタテインメントを発信!
開催県としても協力体制をさらに強固なものにして、
一丸となって、エンタテインメントアイランドとしての沖縄をアピールしたい。
Interview text by Satoru Coda