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2022年9月1日

伊禮俊一 INTERVIEW |沖縄音楽旅行Vol.44 WEB版(Short Ver.)

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伊是名島の熱い風、南国ビートに思いを乗せて

伊是名島に生まれた伊禮俊一、10年ぶりとなるアルバム『南国ビート』をリリースした。瞳を閉じて聴けば、沖縄の青い空、青い海、そしてあたたかい人たちの風景が浮かんで「チムドンドン」する南国のビート感満載の作品だ! 彼にとっての音楽活動は故郷 伊是名島を振り返り、自己のアイデンティティを確認する作業でもある。伊禮俊一のこれまでの足跡をたどりながら、音楽にかける思いや彼の歌の魅力を紐解く、沖縄音楽旅行スペシャル・インタビュー。

Interview & Text:幸田悟

伊禮俊一のルーツ 伊是名島を大切にしていきたい

──まず、伊禮俊一のルーツを探るということで、メジャーデビューまでを振り返っていきたいと思います。故郷の伊是名島、どんな所か教えていただけますか?
伊禮俊一 とても自然が豊かな島です。白い砂浜とコバルトブルーの海はとても綺麗ですし、起伏に富んだ島で、琉球松の群落が広がったりしてます。集落は、赤瓦のまちなみとサンゴで積まれた石垣、フクギ並木のコントラストに癒されます。また、琉球王朝第二尚氏の始祖、尚円王にゆかりが深い島で文化遺産が多々あります。島の人と、この島とずっと繋がっていたいと思います。最近は新型コロナウイルス感染症でなかなか帰れてませんが、この島への思いは、大切にして音楽活動をしていきたいと思ってます。

──自然豊かな伊是名島に育った俊一少年は、中学生になって伊是名尚円太鼓をはじめますね
伊禮 同級生に誘われて練習を見に行ったのがキッカケです。太鼓ってカッコイイなと思って始めました。中学校二年生のときです。伊是名島は小さな島で、娯楽もないんですよね。太鼓の練習は夜やっていたし、先輩たちからいろいろ教えてもらえるしということで、ちょっと大人になった気分でした。そのころちょうどギターも始めたんです。先輩から習ってX-JAPANとか、尾崎豊さんとかの曲をやってました。尾崎さんの「シェリー」は、デビュー後、アルバムに収録してステージでも歌ってました。

──伊是名島には高校がないので中学校を卒業したら、ほとんどの子は、必然的に島を出るんですよね
伊禮 そうです。僕も16歳から那覇のおばさんのところから高校に通ってました。南風原高校の郷土芸能コースに入学して、三線を習うことにしたんです。意外に思われる方もいるんですが、三線を本格的に始めたのは、このころからなんです。

高校生デビュー! 国際通りでストリートライブ!

──伊是名島から沖縄本島の那覇に出てきて、一気に世界が開けた感じになったんでしょ
伊禮 はははっ! そうなんです。ギターを抱えて国際通りへ。昔、国映館という映画館があったのですが、その前でとかストリートライブをやってました。B’zや尾崎豊さんの曲などを歌ってました。いいときには5,000円くらい投げ銭いただいたり……。まさに、高校生デビューです(笑)。

──高校生活を謳歌しながらも三線もしっかり学んでいったんだよね
伊禮 高校で沖縄音楽を学ぶにつれ、もっと深く学びたいという思いが強くなり県立芸大に進学、そこで琉球古典音楽を専攻しました。琉球古典音楽 安冨祖流絃聲会の元会長、濱元盛爾先生に師事して、基本から教えていただきました。2005年に琉球古典芸能コンクール安冨祖流三線部門で最高賞を受賞し、安富祖流古典音楽の教師免許を取得することができました。

インディーズ・デビュー、どん底、メジャー・デビュー

──大学を卒業後、本格的に音楽活動をスタートさせるんですね
伊禮 シンガー・ソングライターになることは、ずっと夢だったので大学卒業後から動き始めました。とあるライブハウスで「ダイナミック琉球」のイクマあきらさんと出会いました。CDをリリースしたいという気持ちを伝えて、それからイクマさんのスタジオに通うようになったんです。それがキッカケとなり2007年、シングル「夏鮮想歌」でインディーズ・デビューすることができました。デビューして一年くらいは、いろんなところでライブをさせていただき充実した状況でした。CDリリースの次の目標をメジャーデビューに定め、練習をしていたのですが、やりすぎたのか喉を痛めてしまって声がまったく出なくなってしまったんです。このときはさすがにとことん落ち込みました。どん底までいききったとき、「思うように声は出なくてもいいから先のことは考えずに歌いたい」って思ったんです。それで、美浜(北谷町)のストリートライブでデビュー曲の「夏鮮想歌」を歌っているときに、いまの事務所の社長と運命の出会いがあるんです。そのライブを見た社長が気に入ってくれて、曲作りがスタートすることになるんです。そうして生まれた曲が「先生」。この曲は、伊是名島の恩師に向けて綴った楽曲。大人になったいまだからこそ、素直にありがとうと言えるそんな気持ちを歌いました。2010年1月に沖縄限定でリリースしたところ、約1か月で約2,000枚を超えるセールスを記録したんです。その勢いに乗ってその年の5月、メジャーデビュー・シングル「先生」がビクターより全国発売されることになりました。

沖縄民謡は自分のルーツ、曲作りの基礎

──メジャーデビュー以降、シンガー・ソングライターとして活躍してますが、オリジナルソングと同時に、沖縄音楽はいまでも大切に歌っているんですよね。伊禮さんにとって、沖縄民謡とは?
伊禮 沖縄民謡は自分のルーツの音楽なんですよね。曲作りの基礎にもなってますし、いろんな思い出が詰まっているそんな存在でもあるんです。動画を使って沖縄民謡解説もブログで展開してます。これまで70曲くらい掲載してます。

──レパートリーはどんなキッカケで増えていくんですか?
伊禮 昔は舞台で地謡もやっていたので、自然と増えていったんです。あとは、ファンのみなさんからいただくリクエストです。コロナ禍でライブもできない状態だったので、ネットを通してのリクエストもありました。個人的に好きな曲は、「汗水節」と「だんじゅかりゆし」です。伊是名島では、農業をしている人が多いので三時茶(午後3時の休憩)のときに、「汗水節」が防災無線から流れてくるんです。「だんじゅかりゆし」は、伊是名島から船が出航するときに流れる曲で島の人がこの曲でカチャーシーを踊りながら送り出してくれるんです。どちらも思い出がいっぱいです。

──そして10年ぶりとなるアルバム『南国ビート』をリリースしました!! 今回のアルバムのコンセプトを教えてください
伊禮 どこで聴いても南国を感じることができる、そんなアルバムを目指しました。過去に収録している昔からの人気曲、CDに収録されていないけどライブで演奏していた曲や沖縄民謡、Jポップのカバー曲、さらに新曲も制作して沖縄を感じることができる作品になったと思います。

沖縄音楽旅行恒例『南国ビート』全曲解説

──では、沖縄音楽旅行恒例のアルバム収録曲全曲解説!!
M.1 南国ビート
──南国沖縄の青空の下で、思わず踊りだしたくなるタイトル曲。三線が奏でるイントロのメロディー、裏打ちのリズム、指笛、スチールドラムの音色など南国感満載のダンス・ミュージックですね
伊禮 この曲は音源化はされてなかったんですが、ライブでやってて、とても人気があった曲なんです。沖縄のいい部分を歌詞にして歌ってます。今回のこのアルバムのプロデューサーは、DJ SASAさんが担当しました。指笛の音、スチールドラムの音が入ったりして、南国感満載のダンス・ミュージックに仕上がりました。ライブで踊ってくれたら嬉しいです。

M.2 プレシャス デイズ
──三線のスライド奏法によるイントロが新鮮。歌詞、メロディーとも愛溢れる楽曲となってます
伊禮 亡き祖父への思いをしたためた曲です。身長は142cmくらいで、白髪で……。父に対しては厳しい人だったようなんですが、僕にとっては、とても優しいおじいちゃんでした。

M.3 夏鮮想歌~かっせんそうか~
──南国沖縄らしいレゲエビートにアレンジ。沖縄の夏が鮮やかに蘇ってくる名曲です
伊禮 先ほども話しましたが、2007年インディーズ・デビュー曲です。伊是名島の楽しさと夏が終わる切なさを表現した歌。インディーズ・デビュー曲、そしてメジャー・デビューへとつないでくれた大切な曲です。

M.4 ハイサイ沖縄ぬちゅらかーぎー
──ビートが効いたダンス・チューンにリアレンジ。イントロのつらねやラップ部分もグルービーに……

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伊禮俊一 沖縄ミュージックジャーニーアフタートーク 139
2022年6月2日放送分の収録後のNHK-FM 番組「沖縄ミュージックジャーニー」アフタートークです。今月は、伊是名島出身のシンガー・ソングライター伊禮俊一をゲストにお迎えしました。約10年ぶりにリリースしたアルバム『南国ビート』や伊是名島の魅力について話を伺います。三線を弾いてのスタジオライブも! 楽しいインタビュー動画、是非ご覧ください!!

【伊禮俊一 PROFILE】
沖縄本島の北に浮かぶ小さな島、伊是名島出身。10代から三線を取り入れた新しいスタイルの楽曲作りを始め、2007年1月に「夏鮮想歌~かっせんそうか~」でインディーズデビューし、2010年5月には、シングル『先生』でメジャーデビュー。サマーソニック、NHK『SONGS』、などにも出演し、沖縄県内外で活躍中。明るいキャラクターと三線の演奏、そして何より故郷・伊是名島を想う歌が共感を呼んでいる。2022年4月に、10年ぶりとなるアルバム『南国ビート』を発表。
詳細:伊禮俊一 Official blog

ARTIST INFORMATION

【伊禮俊一/南国ビート】
ARTIST:伊禮俊一
CD TITLE:『南国ビート』
RELEASE:2022年4月20日
PRICE:2,000円(tax in)
CODE:ORCD-2201
詳細:伊禮俊一 Official blog
通販:伊禮俊一『南国ビート』特設サイト

【伊禮俊一『南国ビート』収録曲】
M.1 南国ビート M.2 プレシャス デイズ M.3 夏鮮想歌~かっせんそうか~
M.4 ハイサイ沖縄ぬちゅらかーぎー M.5 安里屋ユンタ M.6 月ぬ美しゃ
M.7 ハナミズキ M.8 先生

伊禮俊一アルバム『南国ビート』トレーラー

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