2022年3月11日
ORION BEER 100 OKI_INTERVIEW
Interview & Text:幸田悟
ディアマンテス、結成30周年!! 未来に向けて一歩一歩
ラテンとロックをベースに沖縄音楽やレゲエなど彼らが培ってきた音楽を、絶妙なバランスでチャンプルーし、独自のサウンドを生み出した沖縄ラティーナ、ディアマンテス。今年の9月で結成30周年を迎え、アニバーサリー・アルバム『paso a paso』をリリースしました。タイトルの『paso a paso』とは、スペイン語で「一歩一歩」という意味。「一歩一歩」 歩んできた30年の活動を振り返るとともに、新作アルバムに込めた思いを伺いました。ディアマンテスへのスペシャル・インタビューをお楽しみください。
──まず、アルベルトさんとトムさん、ふたりの出会い、その印象を教えてください
トム仲宗根 出会いは1990年くらいかな……。ディアマンテスを結成する以前に、宜野湾市にあったライブハウス、ヒューマンステージでハコバン(定期的に演奏をするバンド)を作るから、そこでベースを担当してみないかと誘われて、入ることに。そのバンドのボーカルがアルベルトだったんです。シーサーのループタイをしてて、ヘアスタイルもパーマで、貫禄がありました(笑)。シンガーとしては、ほんとにすごいレベルの歌い手だなと思いました。
アルベルト城間 とにかくファンキーなベースを弾く人だなと思った。見た目は、高校生かな?と思うくらい若いんだけど、バンドマンとしてのキャリアを感じました。
──トリオディアマンテス時代のころだったと思うんですが、僕はNUDEというバンドやってて、出演した学園祭で、初めてアルベルトさんの歌を聴いたんですけど、「こんなすごいボーカル、いったい沖縄のどこにいたの?」って衝撃でした!!
トム トリオディアマンテス時代も懐かしいよね。あれがなければ、ディアマンテスというバンドにはなってなかったわけだからね。いま、ディアマンテスの30周年記念でいろんな過去の動画をYouTubeにアップしているので、よかったらみてください!!
──30年を振り返って、それぞれの最高な思い出を教えてください
アルベルト 僕は最近のことですが、25周年のコンサート「TROPICALISSIMA(トロピカリシマ)」かな。オルケスタ・デ・ラ・ルス、パパイヤ鈴木とおやじダンサーズ、イクマあきら、琉神マブヤー、MONGOL800、Coccoなどたくさんの仲間たちと同じステージで歌って踊って……。会場のみんなから受けた愛情は表現出来ないくらい嬉しかったし、感謝の気持ちでいっぱいです。「出会った人たちが財産」というのは、こういうことを言うんだなと思いました。舞台でやる以外の準備、特にスポンサー探しなどは営業マン並みに動いたと思います(笑)。そのご褒美として、舞台で思いっきり楽しみました。それがお客さんにも伝わったと思います。メールなどでいつも最後に使う言葉、「これからも共にガンバッテヤンド!!」それを常に実行してます!!
──あのコンサートは、本当にすごかった。特にアルベルトさんはステージに出ずっぱりでしたよね。まさに無尽蔵のスタミナ!
アルベルト ステージ上で5時間、歌いっぱなしでした。あのタイミングだからできたのかもしれません。マラソン以上に体力を使ったと思います。みんなの笑顔、愛情が伝わってきたのでとても幸せだったし、演っているときは、疲れなんて感じませんでした。いまできるかといえば……(笑)。
トム 僕の思い出は、仕事で音楽を演奏しに世界中いろんな所に行けたこと。貴重な体験をさせていただきました。その中でもペルーは印象的。ペルーに行くことができたのも、アルベルトがメンバーだからこそ。それにしても、初めてのペルーの現場は戸惑いの連続でした。ベースアンプの電源入れると、ベースの弦がアンテナ代わりとなってラジオの電波を拾ってスピーカーから、サルサが流れてきたこともあったね(笑)。それから19時からリハーサルということで会場に行くと、ちょっと待っててくださいって待たされて、結局リハーサルができたのは、深夜3時だったり(笑)。コンドルのように雄大な時間が流れてました。何度か行ってますが、現在はタイム・スケジュールもピッタリあわせてくれます! ペルーの名誉のために言っておきますね。
──たくさんの名曲を生み出してきたディアマンテス、オリジナル曲で最も印象に残っている楽曲は?
アルベルト 僕は、「魂をコンドルに乗せて」です。たくさんのことを学ばせて頂いた曲。1991年、ディアマンテスを結成したその年に、母国ペルーで痛ましいテロ事件が起こり、日本人ボランティアの方3人が犠牲になってしまいました。そのなかのひとりは若い沖縄の男性だったんです。その方の家族に出会ったことがキッカケで作った曲が「魂をコンドルに乗せて」です。作詞は、宮沢和史さんが作ってくれました。メッセージを伝えることの難しさを教えてくれました。この曲は、あるCMに起用されディアマンテスにとって初めてのオリコン・チャートにランクインした楽曲でもあります。
トム 「ディアマンボ」です。2枚目のアルバムに収録されている曲で、僕が作ったんですが、編曲は、アレンジャーの清水信之(EPOや大江千里、SMAPなどをアレンジ)さんが担当してくれたんです。僕の何てことのないメロディーが、アレンジによって「ここまで変わるのか」って、プロの現場のすごさを実感した曲です。
儀間崇(ex MONGOL 800)、イクマあきら、仲田まさえ等、豪華アーティストが参加した30周年記念アルバム大解剖
──30周年記念アルバム『paso a paso』のリリース、おめでとうございます
アルベルト ありがとうございます! タイトルの「paso a paso」とは、「一歩一歩」という意味です。ジャケットのモチーフはかたつむりで、木版画で制作しました。
──では、沖縄音楽旅行恒例『paso a paso』収録曲全曲解説をお願いします
M.01 UKASANDO
アルベルト ギタリスト、長嶺良明のハードなギターワークが冴えるロック・ナンバーです。読谷的ロック(笑)! 僕らの原点であるカルロス・サンタナのサウンドをイメージして作った曲です。
M.02 CANDELA
アルベルト タイトルの「CANDELA」とは炎という意味。歌詞は、スーパー・ボーカリストの城間健市さん、作曲はディアマンテスをキーボードでサポートしてくれている、白川ミナさん。楽しい曲にしたいというオーダーをしたら、想像以上に楽しい曲になりました。
M.03 paso a paso
トム 今年3月にYouTube企画で「辺戸岬―喜屋武岬 ウォーキング縦断」を行いました。僕が歩きながら歌詞を考えるから、アルベルトにメロディーをつけてもらおうという内容。それで誕生した曲が「paso a paso」です。この企画を総集編という形でまとめてますので、ぜひYouTubeの動画をチェックしてください。
M.04 ヒヤミカチ節
アルベルト 儀間崇(ex MONGOL 800)くんが参加して、ギター・ソロを弾いてくれてます。トロンボーン担当のエイキがジャジーなテイストを盛り込んでアレンジしてくれました。ディアマンテスならではのテイストに仕上がったと思います。
トム 甲子園の応援ソングとして、そのまんまブラスバンドで演奏して欲しいですね。
M.05 南風
アルベルト 南風堂(雪塩ちんすこう)の15周年CMソングとして、テレビでもオンエアされてます。CMでは、サビの部分しか流れないんですけど、今回CDに収録したので、フルコーラス聴いて欲しいですね。
M.06 幸せワッハッハ
アルベルト 最初、チャランゴのカッティングのみで作ってました。リズムを入れる段階で、やっぱりレゲエのビートが合うねということで、このテイストに。実は、これデモで収録した歌のテイクなんです。「この自由な感覚がいいんじゃない?」ということでそのまま採用しました。
M.07 情熱のFestejo
トム この曲は、盟友イクマあきらさんが作ってくれた曲。「Festejo」とは、カホン(ペールの打楽器)で生み出したリズム・パターンのこと。イクマさんとペルーに行ったときに、いつかこの「Festejo」を取り入れたいねという話をしていたんです。6/8のリズムが実にトリッキーですよね。
M.08 Cielo
アルベルト 白川ミナさんの曲。ピアノのフレーズも心地いい。以前から曲はできていて、いいタイミングで作品として収録したいと思ってました。「Cielo」とは、空、天国という意味。天に召された方への歌です。
M.09 恋する NAVI
トム 沖縄縦断中に、沖縄の歴史的な人物「恩納ナビー」のゆかりの地、万座毛に行きました。そこでインスパイアされ生まれた曲です。仲田まさえさんの「恩納ナビー」の琉歌の詠みからスタートするんですけど、レコーディングの時、まさえさんに「恩納ナビー」が憑依しているんじゃないかと思うくらい、すばらしい収録でした。さすがです。
M.10 TAKAKU TAKAKU
アルベルト 南米の三大舞踊のひとつに「マリネラ」があります。ブラジルはサンバ、アルゼンチンはタンゴ、そしてペルーはマリネラです。白いハンカチをもって男女ペアで踊るそんな曲。娘が作詞してくれました。
M.11 君がいて僕がいる
トム 30年間お世話になった、スタッフ、お客さん、家族など全ての人が「君」です。君がいてディアマンテスがいる。全ての「君」に感謝を込めて作りました。
M.12“G”NO!, COLOCA“S”!
アルベルト 世の中の全ての神様に「真実は何なのか?」ということを呼びかけたメッセージ・ソングです。いろんな神様が入ってますが、そのなかに「赤犬子(伝説の歌三線の始祖)」さまも入ってます。
M.13 SONRISA
アルベルト 「SONRISA」とはスペイン語で笑顔という意味。「音楽が好きな人、誰とでも一緒に楽しみたい」という思いで制作しました。ディアマンテスは、みんなが参加できるそういうバンドでありたいなと思ってます。
M.14 あなたにありがとう
トム この曲はずっと前からありました。「あなた」っていうのは、アルベルトのお母さんのこと。本人は照れもあってだと思うんですが「収録するのはやめておこうよ」って言ってたんです。でも「30周年の節目にどうしても入れたい」ということで、僕が押しに押してアルバムに加えました。アルベルトは、日本に来たころウォークマンで河島英五の歌を聴いていたそうです。ですからメロディーは、彼をオマージュしたラインになってます。日本に来た原点を思い出す、そんな歌でもあると思います。
M.15 VALICHA
アルベルト ペルーの名曲「VALICHA」をカバーしました。沖縄の「ヒヤミカチ節」も収録しているので、バランスをとって。チャランゴの高いサウンドに負けないような高音域で、がんばって歌ってます。
M.16 パソ ア パソ(andante ver.)
トム 「paso a paso」の別バージョンが欲しいなということで制作しました。縦断しているシーンを思い浮かべ、歩いているくらいのテンポ、72bpmくらいの速さで収録したんです。それが偶然、音楽用語にある「アンダンテ」という速度だったんです。「歩くような速さで」という意味。それで、タイトルを「パソ ア パソ(andante ver.)」としました。
──読者のみなさんにメッセージを
アルベルト レギュラーのサポートメンバー、たくさんのゲストミュージシャンにも支えられて、30周年記念アルバム『paso a paso』が生まれました。まさに、ぼくらの財産のようなアルバムです。たくさんの方々に聴いていただきたいです。 2022年も健康でいましょう!
トム ディアマンテスが、30周年続けられているのもファンのみなさんがいて、スタッフがいて、家族がいて、仲間がいて、そしてアルベルトがいるからです。これからも、一歩一歩、未来に向かって進んでいきます。2021年の大晦日のカウントダウンライブ、最高でした! 今年も笑い飛ばして、ハッピーを招き入れましょう! 応援、よろしくお願いします!
ディアマンテス 沖縄ミュージックジャーニー アフタートーク 132
2021年11月5日放送分の収録後のNHK-FM 番組「沖縄ミュージックジャーニー」アフタートークです。今月は、結成30周年を迎えたディアマンテスをゲストにお迎えしました。楽しいインタビュー動画、是非ご覧ください!!
【ディアマンテス PROFILE】
1991年結成、1993年にファースト・アルバム 『OKINAWA LATINA/オキナワ・ラティーナ』でメジャーデビュー。 「ガンバッテヤンド」、「勝利の歌」、「片手に三線を」など数々のヒット曲を生み、今尚 沖縄を拠点に全国各地で精力的にライブを行い、「オキナワ ・ ラティーナ」という独自の音楽を発信し続けている。2021年9月で結成30周年を迎え、アニバーサリー・アルバム『paso a paso パソ ア パソ』をリリースした。
詳細:DIAMANTES DIAMANTES 30th Anniversary Dear Mambou Website
▶︎サポーターカンパニー:オリオンビールWEB SITE
第13回 輝く! 沖縄LOVEweb CD大賞 2021
大賞受賞作品 DIAMANTES 『paso a paso パソ ア パソ』
【DIAMANTES /paso a paso パソ ア パソ】
ARTIST:DIAMANTES
CD TITLE:『paso a paso パソ ア パソ』
RELEASE:2021年9月20日
PRICE:2,800 円 (tax in)
CODE:HICC-5222
詳細:DIAMANTES 30th Anniversary Dear Mambou Website
DIAMANTES 『paso a paso パソ ア パソ』トレーラー Movie
【DIAMANTES 『paso a paso パソ ア パソ』収録曲】
M.01 UKASANDO M.02 CANDELA M.03 paso a paso M.04 ヒヤミカチ節 M.05 南風 M.06 幸せワッハッハ M.07 情熱の Festejo M.08 Cielo M.09 恋する NAVI M.10 TAKAKU TAKAKU M.11 君がいて僕がいる M.12 GNO!!COLOLAS! M.13 SONRISA M.14 あなたにありがとう M.15 VALICHA M.16 パソパソ(andante ver.)
2021年12月8日(水)18:40に放送したFM沖縄「オリオンびあぶれいく」、毎年恒例 沖縄カルチャー情報を毎日更新のウェブマガジン 沖縄LOVEweb的今年のベストアルバムを決定する、第13回 輝く! 沖縄LOVEweb CD大賞 2021を発表しました。先日、大賞を受賞したディアマンテスを表彰し賞品のオリオン麦職人 350ml缶 24本1ケースと表彰状を授与しました。
ディアマンテス 大賞 受賞コメント「第13回 輝く! 沖縄LOVEweb CD大賞 2021」
ディアマンテスの受賞コメント動画です。
大賞 選定理由
今年結成30周年を迎えたディアマンテスが、リリースしたアニバーサリー・アルバム、それが『paso a paso パソ ア パソ』。スペイン語で「一歩一歩」という意味があります。「一歩一歩」 歩んできた30年、そしてこれからの 「一歩一歩」にふさわしいスペシャルなアルバムとなりました。コロナ禍の今だからこそ聴きたい、そんな作品です。ラテン、ロック、沖縄音楽など、彼らが培ってきた音楽を、絶妙なバランスでチャンプルーし、独自のサウンドを生み出した沖縄ラティーナ、ディアマンテス。様々な輝かしい実績を積み上げ、さまざまなことを乗り越えての30周年。「おめでとう」の意味も込めて、第13回 輝く! 沖縄LOVEweb CD大賞 2021 大賞は、ディアマンテス『paso a paso パソ ア パソ』に決定しました。
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