2021年6月26日
組踊の魅力 37
琉球古典音楽野村流保存会師範 新垣俊道が、伝統組踊の鑑賞の見方、楽しみ方を伝授する連載コラム
文|新垣俊道
タイトル:芸の受け渡し
2019年は組踊初演から300周年を迎えた年で、まだ記憶に新しい。2020年は、まさに次のステップへと歩み出す年となるはずであったが、新型コロナウィルス感染症は現在でも大きく影響を及ぼしている。一年前の今頃はすべての動きが停止し重苦しい雰囲気に包まれていたことを思い出す。しかし、このような状況下でも現在では少しずつ活動が開催され、またオンラインでの配信や指導など新たなツールを活用した動きも頻繁になっている。
沖縄の伝統芸能は、これまで沖縄戦など幾多の困難を乗り越えてきている。ふと、芸能に携わっている者は感じたであろう。「先達の先生方は如何にして困難を乗り越え継承してきたのであろうか。」と。やはりそこには芸を受け継ぎ、次世代に受け渡し絶えさせないという大きな使命感があったのである。そのことは、現代に生きる私たちも忘れてはならない。
脈々と継承されてきた技芸をしっかりと体現しながら、次世代に繋いでいく大きな責務があることを。コロナ禍はまだまだ続くと思うが、うまく対峙しながら活動を続け継承していきたいと新年度を迎えるにあたり心新たにしている。
2012年から始まった連載も今回で終了することとなりました。長い間、ご愛読いただきまして誠にありがとうございました。
新垣俊道 PROFILE
国立劇場おきなわ企画公演のほか国外、県内外の公演に多数出演。2008年国立劇場おきなわ組踊研修を修了。同年発売されたCD『琉球舞踊曲集・野村流』に収録参加。2016年にはCD『新垣俊道独唱集 覚る時分1〜3』をリリース。
▶︎組踊公演情報は国立劇場おきなわ ホームページから
国立劇場おきなわ企画公演「大川敵討(糺しの場)」が2021年7月10日(土)国立劇場おきなわ 大劇場にて開催。現存する組踊の作品で最も上演時間が長く、大作とされる組踊「大川敵討」。その中で最大の見せ場である「糺しの場」を抜粋し上演します。指導には、眞境名正憲氏、照喜名進氏を迎え、敵討物の最高傑作と謳われる本作品の継承に努めると同時に、次世代を担う勢いのある実演家たちが作り出す舞台をご堪能ください。
国立劇場おきなわ企画公演「大川敵討」(糺しの場)
日程:2021年7月10日(土)
時間:開演 14:00
料金:3,500円
会場:国立劇場おきなわ 大劇場(字幕表示がございます)
住所:〒901-2122 沖縄県浦添市勢理客4−14−1
問合:国立劇場おきなわチケットカウンター
詳細:国立劇場おきなわ Official Website
※お客様へのお知らせ
新型コロナウィルス感染拡大防止対策として、現在、左右一席空けての販売を行っておりますが、感染症対策の緩和が決定された場合は、販売せずに売り止めていた席の追加販売を行うことがございます。今後、座席販売状況の変更がある場合は、随時ホームページに掲載しますのでご確認ください
【あらすじ】
谷茶の按司は、人望の厚い大川の按司を滅ぼし大川城を乗っ取るが、大川按司の忠臣・村原の比屋の報復を恐れ、大川の按司の若按司を捕虜にする。今帰仁城からの帰途で悲報を聞いた村原の比屋は、どうにかして若按司を取り返し、主君の仇を討とうと考える。村原の比屋の妻・乙樽は、若按司を救うため、若按司の乳母だと偽って谷茶の按司の居城・谷茶城に単身乗り込み、巧みな話術と色仕掛けで谷茶の按司をだますことに成功する。物売りに身をやつし谷茶城の様子をうかがっていた村原の比屋は、乙樽の使者である泊から谷茶城攻めの時期を聞き、大川の按司の旧臣達を手配し谷茶城へと攻め寄せる。無事大川の若按司と乙樽を救出し、谷茶の按司を捕らえることに成功する。
※本公演では、第二場、妻・乙樽が谷茶の按司の居城・谷茶城に乗り込み、巧みな話術と色仕掛けで谷茶の按司をだます場面を抜粋して上演します。
※演目・出演者等は変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。
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