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2020年12月10日

KOKUU SPECIAL INTERVIEW|沖縄音楽旅行 Vol.37

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音楽活動の原点だった「東京」と
自身の内面世界を沖縄で見つめ直したアルバム『東京』

Interview & Text:幸田悟

東京でのロックバンド時代、鬱病を患い、治療の為に訪れた沖縄で再生を果たしたシンガー・ソングライターKOKUU。沖縄に移住して12年、心から沸き上がるリリックとメロディーを歌い続けている。そんなKOKUUの音楽活動の原点だった「東京」と自身の内面世界を見つめ直したサード・アルバム『東京』が完成した。多くの苦難を乗り越え音楽活動を続けるKOKUUへのスペシャル・インタビューです。

ーー東京でのロックバンド時代から、苦難の連続でした
KOKUU 東京でのロックバンド「メランコリックハイ」時代、鬱病を患いました。クラウンレコードからメジャーデビューを果たすも、鬱病の症状が重く、解散せざるを得ない状態に陥りました。長い苦しみの時期があり、治療の為に沖縄を訪れました。治療の一貫で毎日、日の出とともに起床してサーフィンをしていたんです。すると無感情になってしまった自分に感動が蘇る感じを覚えたんです。沖縄の自然の力によって浄化されたのかもしれません。沖縄のおかげで回復再生することができました。

ーーさて、サード・アルバム『東京』のリリースおめでとうございます。制作にあたり、クラウドファンディングを行ったんですよね
KOKUU 2019年にクラウドファンディングを開設し、90人近くの方々に協力していただき、100万円を集めることができました。それをアルバム制作費としました。

ーー今回のアルバムのコンセプトを教えてください
KOKUU 本来なら東京オリンピックが開催される予定だった2020年。そのオリンピックに音楽で寄り添いたいとアルバム制作を決めました。オリンピック開催直前の2020年7月4日にリリースを設定していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により1年延期となったことを受け、戦後復興を世界に知らしめた1回目の東京オリンピック(1964年)の開催日である10月10日にリリース日を変更しました。ある意味日本の「ハレノヒ」ですよね。発売日程を延期することにより、ミキシング&マスタリング作業に十分時間をかけ、アルバム全体に深みと厚みを与えることにも成功しました。アルバム制作のキッカケは、オリンピックだったんですが、東京は僕にとって音楽活動の原点でもあります。結果的には、沖縄で再生を果たしたKOKUUが今一度、自分自身と東京を見つめ直すし、再出発するための区切りの作品となりました。

ーーアルバムジャケットの絵画もすばらしいですね
KOKUU 画家の今村雄太さんに描いてもらいました。高知県の御厨人窟を手前に配し、中央に東京タワー、空には龍が舞う……。そんな僕のイメージを彼が表現してくれました。

ーーそれでは、沖縄音楽旅行恒例のアルバム収録曲全曲解説を
M.01 someone’s boots requiem
ーー一生懸命に闘った人々を癒やすかのような優しいボーカルと、カノン的なコード進行、効果的なSEが現在の「東京」をうまく表現している、アルバムのオープニングを飾るのに相応しい曲です
KOKUU 兵隊のブーツを描いた一枚の絵画からインスピレーションを得て制作。歴史の中でもがき、現在の日本を創り上げた先人への鎮魂歌です。鎮魂の祈りと平和の想いを込めて歌ってます。このアルバムを制作中の2019年の東京は、いたるところで街の建設、大工事が行われてました。打ち下ろされるハンマーを想起させるようSEをサウンドに盛り込んでます。ヘッドホンで細かい音まで聴いて欲しいなと思います。

M.02 Tokyo Lover
ーー冒頭の拍子木がいきなりのお江戸感。時空を越えた「東京恋物語」、アーバンでグルーヴィなボーカルをギター担当のYamatoのバッキングで包み、ゲストギタリストの円山天使のソロが世界観をしっかり表現してます
KOKUU まさに東京での恋物語を描いた曲です。事実は小説より奇なり。ミッドナイトな東京のリアルな恋愛は、煩悩と本能120%!

M.03 Don’t Stop
ーー歌詞もサウンドも90年代テイストのエッセンスと、現代の要素が交差する疾走感溢れる曲
KOKUU 実はこの曲は、東京でのバンド「メランコリックハイ」時代にライブで数回しか演奏しなかった曲。未完成だった曲を、現在の解釈で蘇らせることができました。時の流れも、運命も、自分の中に流れている熱い情熱も、誰にも止められるものではありません。

M.04 東京
ーーKOKUU自身が感じて来た東京と、歴史も含め客観視した東京(江戸も含む)とが時空を越えて交差します。諸行無常ではあるけれども、豊かな未来を願ってやまない、そんな気持ちが沸き上がってくる曲。まさにこのアルバムのリードに相応しい曲です
KOKUU 日々の葛藤、叶わない夢、遠い自己実現……。僕自身の上京物語からスタートし、時を巻き戻し、江戸から現代へと見返しました。破壊、再生、復興を繰り返している「東京」への希望を歌ってます。夢を叶える街「東京」であって欲しい。「ハレノヒ」は、東京で!!

M.05 my lonely heart the drunk
ーー楽曲イントロの巻き戻し系のSEでグッとこの曲の世界観に入っていける。「分かり合いたい」が根底に流れる、切ないラブソングですね
KOKUU この歌は東京のバンド時代、鬱病を患ったあと、なかなか曲を作ることができなかったんですが、そんな中、唯一作ることが出来た歌。まぁ、失恋ソングなんですけどね。そんな想いを振り返っていると、分って欲しいより相手のことを分かりたいと思えてきました。これも、時の流れというものなんでしょうか?

M.06 サマーポップ
ーーバブル時代のC調なラブソングを彷彿とさせる、軽快なナンバー
KOKUU そうなんです! 実はこれも20代にバンドをやっていたころの曲。妄想全開で制作したド真ん中サマーチューン!! 現在歌っている自分自身、とても新鮮に感じてるんです。こんなフィーリング、分ってもらえます?

M.07 さよならドラゴンフライ
ーー愛あればこそ。KOKUU流の優しいバラード
KOKUU 大切な人を護る為に散っていった先人への鎮魂歌。こんな時代が二度と来ないことを祈ってます。

M.08 オリンピック
ーーオリンピックの晴れの舞台に立つ選手のように、誰もが自分が主役の人生の舞台のスタートラインに立つ。「勝つことでなく、参加することに意義がある」、それこそがオリンピックの精神ということを再認識させてくれます
KOKUU オリンピックを観る側の視点で制作。子どものころ、夢中でテレビにかじりついて見てました。卓越した技に興奮し、感動し、憧れを抱きました。そして自分自身も夢に向かって歩み始めます。自分自身の歩みの中で経験した、小さな成功と大きな喜びと出口が見えない挫折と未来……。自分の人生をオリンピックに照らし合わせて言葉を紡ぎました。

M.09 RYUの紅い彗星
ーー戦国いくさ絵巻のようなイントロ。この曲は、KOKUUさん自身が生涯をかけて歌うテーマなんですね
KOKUU そうなんです。徳川軍団四天王と呼ばれた「井伊直政」の生涯を歌った曲。4年前に発売したシングルCD「TORAの願い」の第二弾です。徳川の旗印「厭離穢土欣求浄土(汚れた土地から離れ 極楽浄土を創生する)」の下に獅子奮迅の働きで功名を立てる直政。戦いの果てにたどり着いたのが、江戸なんです。井伊直政にこだわっているのは、実は僕は……。

M.10 プリティシーサー
ーーにゃんこラブなガチンコなラブソングです。「猫あるある」がたまらなくモフモフです。80’sエレクトロなサウンドでよろしく哀愁!
KOKUU 愛を感じてくれたら嬉しいです。愛猫「TORA」と出会えた奇跡、サンキュー・ニャンコな猫好きは必聴です!!

M.11 SPORTS ROCK
ーー「夢と涙 挫折のエブリデイ」という歌詞がストレートに胸に突き刺さる躍動感あふれるまさに「 SPORTS ROCK」です
KOKUU ひとことで言うと「スポ根ロック」です!! 全てのスポーツ選手に試合前に聴いてもらうのが夢です!

M.12 運命の人
ーーこの流れのラブソング、さらにグッときます
KOKUU 親友の女流画家がレバノン人のパートナーと出逢い、結婚しました。そのお祝いで作った曲です。どんなに離れていても出逢う運命、輪廻転生がテーマのラブソングです。

M.13 ラーメン食べたい
ーー五臓六腑に染み渡る、ラーメン・ラバー炸裂のブルース・ナンバー。サウンド的にもスライド・ギターでいい出汁が出てます。
KOKUU 塩に豚骨 味噌に「show you photograph」。個人的には、「醤油」が好きだけど、ライブは「show me」でお願いします。

M.14 SINGER SONG
ーー自分自身への問いかけのようなリリック。自分の真理を探しながら旅をしているんですね
KOKUU 苦しみ続けて、沖縄に来て、救われ、ようやくまた歌うことができました。この歌は、僕のようにアイデンティティを探し、たじろぎ、日々もがき続けている挑戦者への応援歌です。

ーー素晴らしいアルバムが完成しました。あらためて読者のみなさんにメッセージを
KOKUU 新型コロナウイルス感染症のパンデミックな状態に陥ってしまった世界。あっという間に、今までのスタンダードが通用しなくなってしまう。そんな中で感じたのは、「愛」が大切ということ。コロナ禍に見舞われ、落ち込んだ世界中の人々の元気の源となるよう、愛を込めて歌ってます。ぜひ、アルバムを聴いてください。

【KOKUU PROFILE】
那覇市在住 静岡県磐田市出身。ロックバンド時代、鬱病を患う。メジャーデビューを果たすも解散。長い苦しみの時期を経て治療の為訪れた沖縄で回復再生した。沖縄県内イベント、国内ツアーなど 精力的に活動中 。
▶︎KOKUU OFFICIAL WEBSITE

uuna INFORMATION

東京オリンピック2020に想いを馳せ制作、そしてコロナ禍の今……
2020年10月10日にKOKUUのサード・アルバム『東京』が配信リリースされた(CDリリースは11月21日)。本来なら東京オリンピックが開催される予定だった2020年。そのオリンピックに音楽で寄り添いたいとアルバム制作を決めた。タイトルはズバリ『東京』。2019年にクラウドファンディングを開設し、100万円を集めアルバム制作費とした。当初、オリンピック開催直前の2020年7月4日にリリースを設定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響により1年延期となったことを受け、戦後復興を世界に知らしめた1回目の東京オリンピック(1964年)の開催日である10月10日にリリース日を変更した。発売日程を延期することにより、ミキシング&マスタリング作業に十分時間をかけ、アルバム全体に深みと厚みを与えることに成功した。上京物語 、日々の暮らしの葛藤、恋愛、結婚などKOKUUにとっての東京を14曲に凝縮。ブルースロック、AOR、Jポップスなどサウンドもバラエティー豊かに東京の様々な表情を表現している。昭和から平成、そして令和の時代の「東京」がそこにある。「コロナ禍に見舞われ 落ち込んだ世界中の人々の元気の源となるようなアルバムができました」とKOKUU、今の時代に必要なそんなアルバムだ。

【幸田悟/Codaベスト】
ARTIST:KOKUU
CD TITLE:『東京』
RELEASE:2020年11月21日
配信:2020年10月10日
PRICE:2,500円(tax in)
CODE:RYU-1010
詳細:KOKUU Website
配信:KOKUU 『東京』配信一覧

KOKUU 3rdアルバム『東京』14曲 プロモーション・ムービー

【KOKUU 『東京』収録曲】
M.01 someone’s boots requiem M.02 Tokyo Lover M.03 Don’t Stop M.04 東京
M.05 my lonely heart the drunk M.06 サマーポップ M.07 さよならドラゴンフライ
M.08 オリンピック M.09 RYUの紅い彗星 M.10 プリティシーサー
M.11 SPORTS ROCK M.12 運命の人 M.13 ラーメン食べたい M.14 SINGER SONG

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