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2019年12月12日

KACHIMBA IRIS SPECIAL INTERVIEW|沖縄音楽旅行 Vol.33

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自然の揺らぎを感じるユニット、カチンバ・イリスの新しい世界

昨年節目である結成20周年を迎えたKACHIMBAの11枚目のアルバム『ウチナーチャーリバ』がリリースされた。今回は、KACHIMBA IRIS名義でのリリース。新ユニットKACHIMBA IRISやニューアルバム『ウチナーチャーリバ』について話を聞いた沖縄音楽旅行スペシャル・インタビュー!

Interview & Text:幸田悟

ーー昨年、ミュージックタウン音市場3Fホールにカチンバ・ファミリーが大集合し20周年イヤーを盛大にお祝いしました。これまでを振り返っていかがですか?
TARO 人間的にも成長させてもらった20年でした。北海道でサルサと出会ったのがそもそもの始まり。信じてる音楽と思いを貫くと手助けしてくれる人も集まってくれるし、それがパワーの源となり継続できた。たくさんのすばらしいメンバーと出会い、とても恵まれてるなと思います。ただ、最初の10年は、個性豊かなメンバーが揃っていたので、動物園の管理人のような感じでした(笑)。

Yuui 僕はカチンバに入って10年になります。ミュージシャンとしての経験も大きいのですが、人としても多くのことを学びました。バンドでもプライベートでも「人と向き合うとはどう言うことか」を常に考えさせられました。もちろん音楽に対してもそう。真摯に向き合いその都度、答えを導き出す。とても地道ですが、一歩一歩進んでいると実感できた10年です。

ーー楽しいこと、大変なことたくさんあったと思いますが、思い出深いトピックスを教えてください
TARO メンバーの入れ替えは幾度となく繰り返したんですけど、その都度へこみました。カチンバの完全体であるカチンバ1551の他に、常に稼働できるバンドを形を変えて編成してきました。カチンバ4、カチンバ5、カチンバ・デラックス、カチンバ・ムンド、そしてカチンバ・イリス。だからこそ、カチンバを継続することができた。そして20周年ライブでご覧いただいたように、卒業したメンバーも帰ってこれる、そんなカチンバに成長できたと思います。

ーーこの中では、最も新しいメンバーのYuiさん、カチンバ・ファミリーはいかがですか?
Yui カチンバに加わって3年になります。最初はカチンバの拠点であるミルベッソのお客さんでした。中高校生、県立芸大を通してクラシックしか演奏してこなかったので、サルサとの出会いは衝撃的だったし音楽の世界観が広がりました。太郎さんに「アジルー」というイベントに出てみないか?と誘われたのがキッカケで、一緒に演奏させていただくようになりました。カチンバ・ファミリーに出会えて幸せです。

ーーそのカチンバから木製楽器を使用する3人の精鋭のユニット、カチンバ・イリスが誕生しました。結成のキッカケは?
TARO 海外公演が増え、世界の民族音楽などを広く深く知ることによって、サルサをベースにしながらも音楽的にも広がりのあるアコースティックのユニットを作りたいと思いました。それが、カチンバ・イリスの前身である木音です。クラリネットの音色が特徴です。フレンチ・カリビアン、中東の音楽、ジプシー音楽など、どんな音楽にも対応できる楽器なんです。ミルベッソで木音としてライブを重ねていく中で、正式にカチンバのユニットにしようと言うことになり、カチンバ・イリスと名付け、新たに活動を開始ました。イリスとは、ギリシャ語で「虹」と言う意味があります。

ーー待望のニューアルバム『ウチナーチャーリバ』をリリースしました。タイトルに込めた意味、コンセプトを教えてください
TARO 沖縄の言葉で「沖縄に来たら」と言う意味の、リスナーにカジュアルに問いかけるタイトルです。沖縄の自然を守って未来につなげていきたいという大きなテーマを掲げ制作しました。

ーーそれでは、沖縄音楽旅行恒例『ウチナーチャーリバ』収録曲、各曲解説を
M.1 源河川 Genkagawa
ーー沖縄本島に北部に流れる源河川。川のほとりで暮らす生きものたちの大合唱が聞こえてきそうな賑やかな楽曲。クラリネットの旋律が無国籍なジプシー感を演出。後半に出てくるユニゾンの歌詞が楽しくていいですね。ギターもガット、エレキなど使い分けもいい。バリエーション豊かな楽曲です
TARO 一曲でいろんなストーリー、要素が入っている組曲のような曲にしたいと思いました。元々のタイトルは「源河川の虫たちの運動会」ってタイトルだったんです。源河川でキャンプに行った時、夜になると虫の鳴き声がほんとすごいんです。風流というより、賑やかで騒がしいくらい。まさに大運動会のよう。そのイメージをそのまま曲に落とし込みました。サウンドもそれぞれの持ち味が生きていると思います。イントロの川や虫の音は源河川で収録しました。

M.2 ウチナーチャーリバ China Cha-riba
ーーユニゾンの歌から始まるキャッチーな楽曲。沖縄の言葉がメロディーにマッチしてるし、アイリッシュ風なサウンドも抜群にいい
Yuui 沖縄に来たら、沖縄の人の肝心にふれ、風に吹かれ、自然を感じてほしい。そうすることで心が豊かになれるというイメージで制作。サウンド的には、アイリッシュなクラリネットのフレーズとラテンのパーカッションのリズムと力強いロックのギター、そして沖縄の三線……。まさに沖縄チャンプルーな楽曲です。雄大で力強い沖縄の自然を守っていきたいと言う気持ちを込めました。

M.3 太田名節 Ufudana Bushi
ーー伊平屋島で豊年祭に歌われる曲。Yuiのツラネ風の歌唱にも注目ですね
Yui 伊平屋島は私の母の故郷なんです。私のルーツを歌いたいと、ふたりにアレンジをお願いして収録しました。実は、メイン・ボーカルは初めてでした。自分のルーツを歌うと言うことで、きっとご先祖様が力を貸してくれたんだと思います。この歌を収録して、伊平屋島のことをもっと知りたくなりました。
TARO ふつうメイン・ボーカルをとったことないのにいきなりレコーディングというのはありえないのだけど、よく収録できたなと思います。とてもシンプルなアレンジなんだけど、しっかり歌えてます。見えない力に支えられている感じもしました。このシンプルな音の構成は、カチンバの新しい形のひとつになりそう。

M.4 ナカユクイ Nakayukui
ーーヨーロッパ伝来の舞踊音楽をキューバで改良した優雅なダンス音楽であるラテン音楽、ダンソンをベースにしたサウンドで、南国沖縄で畑を耕すひとたちの休息のひと時「ナカユクイ」を見事に表現したインストゥルメンタルです
Yuui キューバ、タイ、中国、台湾などツアーに出た時、海外から客観的に沖縄を振り返ってみたんです。ゆったりした空気感、それが沖縄の良さだなと感じたんです。ツアーで回ってたのが大都市ばかりだったので、田舎が懐かしくなったのかもしれませんが(笑)。キューバとの共通点もゆったり感だったりするのでダンソンをベースにアレンジしてみました。クラリネットが表現豊かにいろんな音色を奏でているので、それがサウダージ感を引き出してくれてます。

M.5 チョンチョンキジムナー Chon Chon Kijimuna
ーー沖縄でガジュマルに住むと言われている妖精キジムナーを歌った沖縄民謡、「チョンチョンキジムナー」を見事にサルサにアレンジしてます
TARO カチンバのアルバムでは必ずサルサで沖縄民謡をやっているんですが、今回はこの曲を収録しました。キューバのスタンダード曲で「ビロンゴ」と言う曲があります。これは、マイナースケールのコード進行なんですが、そのコード進行に「チョンチョンキジムナー」がマッチするんです。ライブではガンマリ(遊び)で入れてたりしたんですが、それを本格的にアレンジしてみました。実は、沖縄民謡でマイナーな曲って少ないんですよ。

M.6 クアティー Kuwati
ーー普天間にあるカチンバの拠点、ミルベッソのカウンターでテキーラを飲みすぎて(クアティー)迎えた朝、そんな風景が浮かんできました(笑)
Yui ポルカのスローバージョン。酔っ払いが夜明けの普天間の街を千鳥足で歩いてる感じをイメージしました。意外と普天間あるあるです。

M.7 普天間ポルカ Futenma Polka
ーークアティーから一転してアップテンポなポルカですね
Yui クアティーの続編の曲。酔っ払いが見た朝の普天間の街をイメージ。通勤通学で行き交う人々、街を彷徨う酔っ払い。そしてまたミルベッソで踊る(笑)。そんなストーリーです。

M.8 ウンバボー!! Unbabo!!(Happy Track)
ーーカチンバの定番曲をイリス風にアレンジ。ライブ感が伝わってきて楽しいテイクですね。まさにハッピートラック!!
TARO 2004年に発表したアルバムに収録したカチンバのテーマ曲。カチンバが考える理想郷をイメージして作った曲です。イリスで演奏しても「ウンバボー!!」。小中高校の芸術鑑賞の時間に、子どもたちも先生もみんなで踊れる、そんな仕上がりをイメージして制作しました。

ーー読者にメッセージをお願いします
Yui 初めてCDのレコーディングに関わることができました。しかもジャケットのデザインまで担当させてもらったので、出来上がったパッケージを手に取った時は、言葉にできないくらい嬉しかった。これからも自信をもってカチンバ・イリスとして続けたいと思います。思いが溢れすぎて……。たくさんの方々に聴いていただきたいです。
Yuui アルバム一枚で沖縄旅行ができるそんな作品になってます。カチンバの新しいサウンドを確立できました。ぜひ、ミルベッソでグラス片手に聴いてください。
TARO サルサからスタートしたカチンバですが、アジアを代表するバンドとして、さまざまなテイストを盛り込んだ音楽を通して沖縄を伝えたいと思ってます。今回のアルバムで、そこに一歩近づくことができたなと思います。僕らのDNAを呼び起こして琉球人として奏でる、そんな活動をしていければ嬉しいです。ぜひ、カチンバ・イリスのサウンドを直に聴いてください。

【KACHIMBA IRIS PROFILE】
KACHIMBAから木製楽器を使用する3人の精鋭のユニットが誕生。2017年結成。メンバーは、TARO(パーカッション)、Yuui(ギター)、Yui(クラリネット)の3名。ラテンのリズム、コードワークをベースに彼らのルーツである沖縄音楽のメロディーや言葉を交えながらせワールド音楽へと昇華している熱いグルーブと自然の揺らぎを感じるユニット。2019年8月14日にニューアルバム『ウチナーチャーリバ』をリリースした。

ARTIST INFORMATION

KACHIMBAの11枚目のアルバム『ウチナーチャーリバ』が2019年8月14日にリリースされた。今回は、TARO(パーカッション)、Yuui(ギター)、Yui(クラリネット)の3名の木製楽器の自然の音色を生かしたユニット、KACHIMBA IRIS名義でのリリース。ラテンのリズム、コードワークをベースに彼らのルーツである沖縄音楽のメロディーや言葉を交えながらせワールド音楽へと昇華している。今作は、オリジナルから沖縄民謡のカバーまで、全8曲を収録。新たなKACHIMBAのサウンドは、まさに沖縄の亜熱帯の自然そのもの。熱いグルーブと自然の揺らぎを感じるニューアルバム『ウチナーチャーリバ』、必聴です。

【KACHIMBA IRIS/ウチナーチャーリバ】
ARTIST:KACHIMBA IRIS
CD TITLE:『ウチナーチャーリバ』
RELEASE:2019年8月14日
PRICE:2,160円(tax in)
CODE:TIDA-0008
詳細:KACHIMBA IRIS Website


KACHIMBA IRIS CD TITLE:『ウチナーチャーリバ』収録曲
M.1 源河川 Genkagawa
M.2 ウチナーチャーリバ China Cha-riba
M.3 太田名節 Ufudana Bushi
M.4 ナカユクイ Nakayukui
M.5 チョンチョンキジムナー Chon Chon Kijimuna
M.6 クアティー Kuwati
M.7 普天間ポルカ Futenma Polka
M.8 ウンバボー!! Unbabo!!(Happy Track)

KACHIMBA IRISのアルバム『ウチナーチャーリバ』iTunes DL配信スタート!!
iTunes購入:Apple Store KACHIMBA IRISのアルバム『ウチナーチャーリバ』iTunes購入

KACHIMBA IRIS 沖縄ミュージックジャーニー アフタートーク 115
2019年12月6日放送分の収録後のNHK-FM 番組「沖縄ミュージックジャーニー」アフタートークです。今回は、KACHIMBA IRISのみなさんをお迎えし、8月にリリースしたアルバム『ウチナーチャーリバ』についてお話を伺いしました。さらにスタジオライブも披露! 楽しいトークとKACHIMBA IRISの演奏を是非ご覧ください!!

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