2018年10月18日
タイトル:故島袋正雄先生と組踊研修生
組踊の魅力 26
文|新垣俊道(伝統組踊子の会)
去る4月24日、琉球古典音楽の人間国宝・島袋正雄先生が他界された。先生は2000年に照喜名朝一先生と共に琉球芸能では初めて人間国宝として認定を受けている。
国立劇場おきなわでは2005年より組踊養成研修が開始され、私も一期生として3年間の研修に励んできた。その時の三線講師は島袋先生と照喜名先生のおふたりだった。島袋先生とは同じ野村流でありながら所属団体が違うため、交流の機会が持てず舞台ではただ遠くから拝見するなど、雲の上的な存在だった。その先生から技芸を学べることを知った時は大いに喜んだ。
研修では「楽譜はこうだけど、間を持って節を後ろに付けた方がいい」など、楽譜を超えた表現法についても学ぶことができた。また、名人・幸地亀千代先生の芸、また島袋先生の芸論など色々と話を聞くことができた。さらに息を長くするため仰向けになり、鉄アレーを腹の上に乗せて腹式呼吸を鍛えた体験談など多くのことを学んできた。
95歳という大往生の人生。私の年齢を2倍にしても先生の歳には達しないし、芸でも人間性においても先生には遠く及ばない。先生から学んだ多くのものを胸に、一層精進していく決意を新たにしている。同時に沖縄芸能をさらに発展させていく責務が一期生にはあると痛感したのだ。
組踊公演「義臣物語」が2018年9月29日(土)、国立劇場おきなわ 大劇場にて開催。
島尻の高嶺按司、その臣下 国吉の比屋と首里鮫川の按司が織りなす「義臣物語」。
ぜひ、ご覧ください。
組踊公演「義臣物語」
日程:2018年9月29日(土)
時間:開演 14:00
料金:3,100円
会場:国立劇場おきなわ 大劇場
詳細:国立劇場おきなわ Official Website URL
【義臣物語/あらすじ】
島尻の高嶺按司は、臣下である国吉の比屋の助言を聞き入れず、遊興三昧の生活。
ついに、首里鮫川の按司に攻め討たれてしまう。
国吉は人形売りに身をやつし、逃げ延びた高嶺の若按司とおめなりを捜し出す。
さらに、高嶺の旧臣たちに主君の仇討ちを呼びかけるが、
誰も聞き入れるものはいなかった。
国吉は、やむなく単身で鮫川に火攻めを仕掛けるが……。
【第一部】琉球舞踊~若衆踊のさまざま~
・赤馬節(あかんまぶし)
多和田美幸、宮城尚子、新城頼里子、宮城由紀子、仲程沙耶花、伊佐枝梨奈
・四季口説(しきくどぅち)
上原なつき、川平恵、砂川沙夜香、比嘉舞未
・若衆ぜい(わかしゅぜい)
大城直江、長山真由美、吉元貴子
・若衆出発(わかしゅたびだち)
大浜暢明
・藍千鳥(あいちどり)
真境名英美、喜屋武愛香
【第二部】組踊「義臣物語」
立方指導:眞境名正憲 地謡指導:前川朝文
【配役】
国吉の比屋/平田智之、若按司/田口博章、おめなり/宮城茂雄、新垣の比屋/前當正雄
崎本の子/親泊久玄、鮫川の按司/宇座仁一、大主/金城陽一、夜廻り/儀保政彦
供/名嘉正光 天願雄一 佐喜眞一輝 知花令磨、童/知念美意子、島袋廉士、樋口桔梗之介
【地謡】
歌三線【第一部】新垣恵、島袋奈美、前田博美
歌三線【第二部】前川朝文、砂辺孝真、崎濱秀貴、謝敷アンヘル
箏/米須弥生 、笛/知念久光、胡弓/又吉恭平、太鼓/金城盛松
※演目、出演者等は変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。
新垣俊道 PROFILE
国立劇場企画公演や県内外の公演に多数出演。
08年国立劇場おきなわ組踊研修を修了し、
伝統組踊「子の会(しーのかい)」結成。
同年発売されたCD琉球舞踊曲集・野村流に歌三線として
収録に参加。
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