2018年2月22日
はいさいFESTA 2018 タイアップ企画
宮沢和史プロデュース
「民謡カフェ」を語る!!
Interview & Text:幸田悟
Photo:M.KISE
神奈川県川崎でゴールデンウィークに毎年開催されている沖縄大文化祭「はいさいフェスタ」。昨年2017年からは、宮沢和史が「民謡カフェ」を企画、立体的に沖縄音楽の魅力を届けています。今年で15回目となるはいさいフェスタは、5月2日(水)~6日(日)に開催決定! もちろん「民謡カフェ」もバージョンアップし再登場します!! はいさいフェスタ開催前に沖縄民謡の魅力と「民謡カフェ」について話を伺いました。宮沢和史スペシャル・インタビュー、お楽しみください。
ーー 昨年、登場した「民謡カフェ」、いろんな角度で沖縄音楽が楽しめる企画でした
宮沢和史 そこに立ち寄れば一日中、沖縄民謡が楽しめるというコンセプトで「民謡カフェ」をはいさいフェスタの期間中4日間、開店しました。日によって沖縄本島、宮古、八重山の唄者が登場し島々の歌を歌う1日2回のライブ。オススメしたい映画の上映、それから僕がDJとなってトークしながらレアな沖縄民謡を紹介するトークショーと、まさに民謡三昧な「民謡カフェ」。おかげさまで評判良かったので今年も開催することになりました。改善するべきところは改善し、よりお客さんが楽しめるバージョンアップした「民謡カフェ」になると思います。今年は対談なども盛り込んでいきたい。キャスティングはまだ秘密ですが(笑)。
ーー 沖縄の名曲を丁寧に紹介してます
宮沢 県外で沖縄民謡に触れる場といえば、民謡酒場なんですね。吞んで歌って沖縄民謡を楽しんで最後はカチャーシー。楽しいのですが、歌われる歌は、お酒の場に相応しい曲に限られてくる。沖縄民謡には、深い昔唄など名曲が沢山あるのですが、なかなか東京で触れる機会がない。もっと、沖縄民謡の素晴らしさを知って欲しい。本物の唄者が本物の技術で民謡を伝える場をつくりたい。そういう想いで「民謡カフェ」をプロデュースしてます。
ーー 唄い手にとっても良い場ですね
宮沢 唄者は、いろんな場が必要なんです。真剣勝負の歌の場を作りたいと思っているので、「民謡カフェ」がその場のひとつになればと思います。昨年、慶応義塾大学の現代芸術の講師を担当。いろんな音楽の歌詞の文学性を紐解くという授業なんだけど、その中で沖縄民謡についても講義しました。するとぜひ生で聴きたいということになり、今年の1月中旬、仲宗根創と新垣成世を招いて三田キャンパスのホールで「沖縄民謡レクチャーコンサート」を開催しました。沖縄民謡には民の暮らしと歴史と物語がある。薩摩のこと、辻・遊郭のこと、戦争のこと、アメリカ世、大和世のこと……。いろんな出来事があり、歌として昇華し名曲が生まれている。そんな歴史の紹介を含めた2時間足らずのコンサートでしたが、「沖縄民謡ってこんなに深いのか」と先生も学生も凄く感激してくれました。唄者にとっても貴重な場だったと思うのです。歌に込められた先人の歴史を紹介しつつのステージ、だからこその真剣勝負。ふたりは昨年の「民謡カフェ」にも出演してくれました。会場もとても盛り上がっていたのですが、「もっとうまくなりたい」と言っていたのが印象的。こういうステージを積み重ねていくことがとても大切。唄者にとっての真剣勝負の場としての「民謡カフェ」、今年も楽しみです。
ーー 沖縄の市町村や集落など各エリア、「シマ」の歌が存在するところが面白い
宮沢 そうですね、アイランドではなく、暮す環境、エリア、テリトリー的な「シマ」という概念で。例えば本島北部の名護、今帰仁、本部は隣接しているけど、ナークニーを歌ってもそれぞれ違う。集落単位で暮らしがあり、歌がありグルーヴがある。これが民謡の面白さだと思うんです。それから、歌は旅をしているんですね。奄美大島の加計呂麻島で何百年前に歌われていた歌詞が現在、名護で歌われているという実例がある。エリアだけの旅ではなく、時代をこえて「シマ」の歌は旅をしている。そういう面白さを「民謡カフェ」で楽しく伝えていければと思います。
ーー 何百年前のメロディー、歌詞が歌われているって凄いことですね
宮沢 ポップスの歌のサイクル、時間軸では語れない。何百年前に生まれた時点では、とても現代的であり、最先端だったと思うんです。だから愛された。それを考えると、ソングライターには、志や譲れない部分が必要だし、大切だなと思います。現在、生まれている沖縄の歌でも100年先に歌われる歌が、きっとあると思うんです。島唄ポップスというくくりではなく、「シマ」の歌としての裾野が広がっていく事を願ってます。
ーー 宮沢さんの「島唄」も30年前のリリース時は、ある意味前衛的な存在
宮沢 僕にとって相当勇気のいる曲でした。沖縄出身者ではないロックバンドの人間が、三線を持って沖縄のメロディーで戦争のことを歌っている。今まで例に無いこと。世に出そうか非常に悩みました。でも喜納昌吉さんが、「どんどん歌いなさい」と背中を押してくれたんです。若いミュージシャンも、何ものにも媚びず、思い切ってやりたいことを表現して欲しいですね。時代をすくい上げてくれるような、導いてくれるようなそんな強い歌が聴きたい。そういうソングライターや唄者を後押しできればとも思います。
ーー 行事とリンクしている歌もある
宮沢 生活と歌が近いですよね。旧暦の行事とともに生活が有りそこに歌と踊りも存在する。「かぎやで風」は、沖縄の人はみんな知っている。この曲が演奏されればみんな背筋をのばす。「クーダーカー」が流れれば沖縄の人はみな踊り出したくなる。これは凄いこと。みんながこれだけ音楽を共有してるのは奇跡です。
ーー はいさいフェスタ恒例の音楽祭のプロデュースも担当します
宮沢 「民謡カフェ」の集大成としてのステージをと考えてます。本物の「シマ」の歌をお届けできると思います。
ーー 最後にメッセージをお願いします
宮沢 沖縄を知るには沖縄の歌を聴くことです。なぜなら嘘、偽りのない庶民の目線で書かれ、歌い継がれているから。そんな沖縄の歌をいろんな形で伝えていければと思います。今年の連休、はいさいフェスタにいらっしゃる方は、「民謡カフェ」と「音楽祭」でお会いしましょう。
【宮沢和史 PROFILE】
宮沢和史 1966年甲府生まれ。THE BOOMで1989年にデビュー。2014年、THE BOOM解散。2015年12月『MUSICK』リリース。2012年、沖縄読谷村にて「くるちの杜100年プロジェクト」を発足。2016年11月、245曲収録のCD BOX『沖縄 宮古 八重山民謡大全集(1)唄方~うたかた~』を完成させた。
▶︎宮沢和史 Website
第15回 はいさいFESTA 2018
神奈川県JR川崎駅前の複合商業施設『ラチッタデッラ』をメイン会場とし、『沖縄』をテーマにしているイベントそれが「はいさいFESTA」。会期中20万人超の沖縄フリークで賑わう沖縄大文化祭です。
今年は15回目の節目ということで規模も拡大して2018年5月2日(水)から6日(日)まで5日間にわたり開催!!
飲食、物販、体験の屋台やエイサー、民謡、ロックなど、総勢50組以上の出演者で連日賑わうフリーライブ、さらに映画の上映も!! そしてはいさいフェスタを締めくくる音楽祭、今年は2日間に渡って開催! 沖縄民謡、沖縄ロック等沖縄音楽を満喫の音楽祭となります!!
5月2日(水)〜5月6日(日)の期間中、沖縄の音楽・伝統芸能・映画・食・酒・沖縄物産をご堪能ください!! GWだけど帰省できない、就職で関東エリアに行かれた方、沖縄ファンのみなさんに教えてあげてくださいね。
▶︎昨年開催第14回 はいさいFESTA 2017沖縄LOVEweb現地レポート
第15回 はいさいFESTA 2018の見所
飲食屋台・物産展
今年は会場規模を拡大して展開! さらに「石垣牛」、「あぐー豚」、「美ら海まぐろ」など、沖縄が誇るブランド食材を使ったメニューに注目です!!
エイサー
はいさいFESTAの華であるエイサー、今年はついに本場沖縄市から、エイサー団体が参戦!!
野外フリーライブ
新旧沖縄ポップスから伝統の民謡、三線、演舞まで沖縄出身のアーティストが大集結!!
音楽祭@CLUBCITTA
第15回目を迎える今年は2DAYSで開催!!「沖縄民謡」と「オキナワンロック」を体感せよ!!
民謡酒場
呑んで歌って踊って沖縄体験ができる大人気企画!
宮沢和史プロデュース「沖縄民謡ざんまい! ~はいさい・カフェ~」
沖縄を知るには沖縄の歌を聴くに限る! 宮沢和史プロデュース「沖縄民謡ざんまい! ~はいさい・カフェ~」で素晴らしい沖縄民謡の世界を堪能!!
コザ LIVE MUSIC BAR
初開催! アメリカの文化に影響を受けたディープな沖縄を感じる一夜限りのライブハウスをOPEN!!
ワークショップ&はいさいFESTAフェア
沖縄の伝統芸能やものづくりを体験!!
ラ チッタデッラ店舗と、チネチッタ通り商店街各店舗にて楽しめる沖縄フェアが満載!!
▶︎第15回 はいさいFESTA 2018
第15回 はいさいFESTA 2018
日程:2018年5月2日(水)〜5月6日(日)
時間: 11:00~21:00 ※企画により変動あり
会場:ラ チッタデッラ(神奈川県 JR川崎駅)
住所:〒210-0023 神奈川県川崎市川崎区小川町4-1
出演:総勢約600人超の沖縄文化の担い手たちが集結
問合:株式会社 チッタ エンタテイメント TEL:044-233-1934
詳細:第15回 はいさいFESTA 2018 WEB SITE
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