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2017年3月4日

宮沢和史 INTERVIEW 沖縄音楽旅行 Vol.22

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代表曲である「島唄」を1992年発表以来、音楽活動のみならず、さまざまな形で沖縄音楽界に貢献している宮沢和史。昨年末、4年以上の歳月を費やし「沖縄民謡の音の教科書」となる17枚のCDと140ページ の解説書がセットになったCD BOX『沖縄 宮古 八重山民謡大全集(1)唄方~うたかた~』を完成させた。これは、約250名の唄い手を訪ね歩き、269曲をスタジオ収録。その中から次世代に伝えたい沖縄民謡245曲を選択しCD化したもの。『唄方~うたかた~』への想いについて宮沢和史にインタビューした。

沖縄 宮古 八重山民謡大全集
唄方~うたかた~への想い

Interview & Text:幸田悟

ー「唄方プロジェクト」をはじめようと思ったキッカケを教えてください
宮沢 戦前、戦中、戦後、歌い継がれてきたすばらしい「むかしうた」、沖縄民謡がたくさんありますね。当時の歌い方、間合い、節回し、風情、背景、歌詞を知っている方がご高齢でだんだん少なくなっているという危機感がありました。この20数年の間にも、知名定繁さん、我如古盛栄さん、照屋林助さん、喜納昌永さん、嘉手苅林昌さん等、偉人たちが沖縄を去っていった……。そのたびに悔しい気持ちにもなりました。そして、登川誠仁さんが体調を悪くされ「歌うのが少し辛いらしい」という話を聴いた時、「いつかやろうなんって言っていられない」と思いました。そうして、工工四
だけでは伝えきれない「唄者の生の息づかい」を、後世に伝える「音の教科書」を制作する「唄方プロジェクト」がスタートしました。同時に三線の竿の原料となる黒木(くるち)を植樹する「くるちの杜100年プロジェクト」も始めたんです。

ー沖縄民謡の魅力は?
宮沢 沖縄の人は気がついてないのかもしれないけど、ここには宝がいっぱいある……。そう、宝島なんです。 すばらしい芸能がたくさんあり、色あせず、今もまた生まれ続けているという連続性もすばらしい。県外の方に「沖縄を知るにはどうすればいいですか?」と聴かれることがある。僕は即座に「沖縄の民謡を聴いたらど
うですか?」って答えます。なぜならば沖縄の歌には、歴史書や教科書にも載っていないリアルな暮らしが詰まっているから。嘘、偽りのない庶民の目線で書かれ、歌い継がれているんです。生活と音楽が密接に繋がっている。沖縄の歌は、この島の宝です。「歌」という大河、その流れが永遠に続く為に「自分には何が出来るだろう」と考えるだけでワクワクする。音楽家として沖縄が大好きなんです。僕の微々たる力でも、この島の音楽にお役に立つのであれば、それだけで幸せなんです。

ー収録時、こだわった点は?
宮沢 次世代の人たちや外国で沖縄民謡を学ぶ人たちの音の教科書にしてほし
かったので、あまり装飾音も入れずに「シンプルに歌三線で聴き取りやすくする」というとことを主眼に置いて収録しました。エコーなどの効果も薄くしかかけてないんです。

ー唄者の人選、選曲、収録……。どのような手順で進めていったのですか?
宮沢 唄者の方々に実際に会いにいったり、電話で連絡したり、ご挨拶する所からスタート。連絡先を知らない唄者さんに関しては、キャンパスレコードの備瀬さんや知名定男さん、大工哲弘さん等さまざまな先輩に教えていただいたり……。民謡界の重鎮の先輩の協力は、とても心強かったです。収録は、沖縄本島にお住まいの方は、コザ(沖縄市)のスタジオまで来ていただいて収録しました。選曲は、唄者が「一番最初に習った歌、後世に残したい歌、ご自身の持ち歌」などご本人の希望を基本としました。僕がリクエストした歌もあります。各楽曲の解説もつけたいと思っていたので、歌う前に歌に対する想いや歌の歴史等を語っていただきました。そして、歌本編の収録に入るわけです。

ー出張録音もされたんですね
宮沢 そうです。沖縄本島在住でもスタジオに来れない遠方の方や離島に関しては、録音機材を持参して収録へ伺ったりもしました。登川誠仁さんの収録は、ご自宅に機材を持ち込んでの収録でした。いつ歌うか分らないという緊張感のなかスタッフも収録準備してるんですけど、マイクをセッティングして準備が整った瞬間、「ナークニー」が始まりました。感じてらっしゃるんですね。ほんとにさすがの間合いでした。そういうところも「芸」なんですね。この音源がもしかすると誠仁さんの最期の作品かもしれません。離島に関しては、宮古、石垣島をベースに鳩間島、南大東島にも行きました。

ー南大東島まで行かれたんですね
宮沢 とても情け深い島でね。収録はすぐに終了して、宴会ですよ(笑)。子どもたちも踊ってくれたりとかして楽しかった。僕らが収録に来た記念に黒木を植樹してくださってたんです。「この黒木に水をあげに、またこの島に来てください」って。その気持ちがとても嬉しい。収録に行ってほんと良かった。生活の中の歌が収録できたし、島の人の心のあたたかさを感じることができました。

ー東京でも収録したんですね
宮沢 大島保克、夏川りみ、上間綾乃等は、東京の僕の自宅まで来てもらって収録しました。ヤス(大島)とりみ(夏川)は、同じ日の収録、これもまたすぐに撮り終えたので、ご褒美に大事にしてた島酒を一杯ごちそうしたんです。そしたら、最終的に全部飲み干してしまった(笑)。そりゃそうですよね、一杯で止まるわけがない(笑)。そういう唄者同士の交流や想いも沢山詰まった「唄方プロジェクト」なんです。

ー島々の民謡の魅力を教えてください
宮沢 宮古島は、水が少ない島で、暮らし自体が大変な所だった。だから生活に対する切実な歌、苦しかった想いやそれを浄化する歌などが多いです。八重山は逆に自然が豊かな島なので、労働を謳歌する歌だったり、掛け合いがあったりと遊びが入っている歌が際立ちます。しかし、人頭税もあったので、悲しい歌等も数多く生まれてます。沖縄本島になると、もっと表現が豊かになる。華やかなお座敷遊びから発展し、洗練された細やかなテクニック等、表現手法も多様化してくる。今回の収録でそれぞれの地域の歌の特徴なども感じることができました。
ー販売ではなく寄贈されるんですね
宮沢 そうなんです。2016年の10月から基金の呼びかけを行いました。世界中からご支援頂き心から感謝しています。2017年の2月くらいから、県内中学校、高校、大学、特別支援学校、図書館、国内外の県人会など約500ヶ所に寄贈する予定です。2000年代の沖縄の唄者はこういう弾き方、歌い方をしていたんだという、未来の唄者への参考となれば幸いです。

ー最後にメッセージを
宮沢 黒木を植える「くるちの杜100年プロジェクト」も並行して行っているので、沖縄には頻繁に来ます。歌手活動を休養してましたが、「唄方プロジェクト」もひと段落し、体調も整ってきたので「また歌いたい」という気持ちが高まってきてます。今年はお声がけいただいたり、歌いたいなという場所には出て行きたいと思います。『唄方~うたかた~』を多くの方々に末永く活用していただければと思います。沖縄の歌が未来に繋がっていく事を心から願って。

宮沢和史 沖縄ミュージックジャーニー アフタートーク082
2017年1月6日放送分の収録後のNHK-FM 番組沖縄ミュージックジャーニーアフタートーク、ゲストは、宮沢和史さん。
「唄方プロジェクト」の取り組みや宮沢和史さん自身の今後の音楽活動などについてお話を伺いいました。インタビュー動画、ぜひご覧ください。

【宮沢和史 PROFILE】
1966年甲府生まれ。THE BOOMのヴォーカリストとして1989年にデビュー。1998年にはソロアルバム『Sixteenth Moon』をリリース。2014年、多くのファンに惜しまれつつTHE BOOM解散。2015年12月『MUSICK』リリースした。作家としても小泉今日子、矢野顕子、喜納昌吉、有里知花、川村結花、友部正人など、多くのミュージシャンに歌詞、曲を提供している。2012年、沖縄読谷村にて「くるちの杜100年プロジェクト」を発足。2016年11月、245曲収録のCD BOX『沖縄 宮古 八重山民謡大全集(1)唄方~うたかた~』完成。

『沖縄 宮古 八重山民謡大全集(1)唄方~うたかた~』宮沢和史監修
ARTIST:V.A.
CD TITLE:『沖縄 宮古 八重山民謡大全集(1)唄方~うたかた~』
RELEASE:2016年10月27日
PRICE:非売品
詳細:唄方プロジェクトfbページ
仕様:17枚組CD 沖縄本島 11枚+宮古3枚+八重山3枚
   沖縄本島 167曲、宮古島 38曲、八重山地方 40曲 計245曲
解説書:A4版/140p(歌詞及び宮沢和史執筆解説付)
贈呈:県外・海外県人会、県内図書館施設、県内大学・高専図書館施設、
   県内高等学校・中学校・特別支援学校など、約500件へ贈呈

沖縄音楽旅行 INFORMATION


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