組踊の魅力17 新垣俊道（伝統組踊子の会）｜沖縄音楽旅行Vo.19 連載コラム

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2016年6月9日

組踊の魅力17 新垣俊道（伝統組踊子の会）｜沖縄音楽旅行Vo.19 連載コラム

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タイトル：国家的プロジェクトで披露された組踊や舞踊

組踊の魅力 17
文｜新垣俊道（伝統組踊子の会）

中国と冊封関係にあった琉球は、国王の代替わりごとに冊封の儀を催した。

中国からは冊封使が派遣され、旧暦5、6月頃に来琉し、旧暦9月頃に帰国している。王府は使節を歓待するため七回の宴を催し、組踊や舞踊が披露された（披露されるのは三回目の「仲秋の宴」以降）。

披露する芸能は1年前から準備されており、1838年の戌の冠船『冠船躍方日記』には、その詳細が記録されている。役人や指導者の任命、演者の採用、御茶屋御殿に保管されている前回の冊封で使用された衣裳などの状態確認、衣裳等は中国や大和へ注文、稽古は何時から何処で行うかなどが検討され、組踊は過去二回の冊封で供されたものを参考にしたと記録されている。

さらには国王や王妃、聞得大君、世子が立ち会うリハーサルも行っており、まさに国家的な大事業だ。また、冊封使が無事に帰国したことを確認した後、国王隣席のもとに催される祝賀の宴「御膳進上」で上演する組踊のことも記録されている。

過去二回の冊封も含め、供された組踊は十七演目ほどで、短い期間にこれだけの演目をこなしてきたことには大変驚きである。それに加え、数々の舞踊もだから尚更だ。琉球にとって芸能は非常に重要であり、外交的な役割がいかに大きかったことが分かる。

国立劇場おきなわ普及公演
社会人のための組踊鑑賞教室「二童敵討
日程：2016年6月11日（土）
時間：14:00 開演
料金：2,100円（一般）
場所：国立劇場おきなわ大劇場

新垣俊道 PROFILE
国立劇場企画公演や県内外の公演に多数出演。
08年国立劇場おきなわ組踊研修を修了し、
伝統組踊「子の会（しーのかい）」結成。
同年発売されたCD琉球舞踊曲集・野村流に歌三線として
収録に参加。