2013年2月11日
「子の会」の挑戦 !
組踊の魅力 03
文|新垣俊道(伝統組踊子の会)
今年で8年目を迎える国立劇場の組踊研修。現在は三期生が研修に奮闘中だ。
研修は週4日、18時半から90分間の2コマ行われ、実技と基礎知識等を人間国宝など各分野の第一線の講師陣から直に指導を仰いでいる。半期ごとに、研修の成果として組踊一演目を披露することになっており、3年間では計六演目を発表している。
「子の会」は、この研修の修了生で構成されている団体だ。
会員は「子の会」での活動とは別に、各々が意欲的に実演活動をしている。
組踊のみではない。沖縄芝居や他ジャンルとの競演、県立芸大において古典音楽の指導や最近では3か月間、韓国芸術総合学校の招聘で、琉舞を指導している会員もいる。
10月23日の新聞にも掲載されたが、来年の3月に東京と沖縄で上演される芥川賞作家、大城立裕作「聞得大君誕生」において、人間国宝の坂東玉三郎氏の相手役を務める会員もおり、活動の幅はさらに広がりを見せている。
このような多くの経験は、芸域を広める絶好の機会で組踊を演じる際、大いに役立つ。
だが、組踊は様式性の強い演劇。本質を抑えつつ、これまでの経験を活かし、どう演じるかが肝要だ。
様式性とリアル性の塩梅は難しく、それを体得するのは時間がかかること。
それも経験してこそのこと。
「子の会」の挑戦は、今後も続いていく。
国立劇場おきなわ 若手伝承者
第2回発表会 組踊「手水の縁」
日程:12年12月15日(土)
時間:開演 14:00
場所:国立劇場おきなわ
新垣俊道 PROFILE
国立劇場企画公演や県内外の公演に多数出演。08年国立劇場おきなわ組踊研修を修了し、伝統組踊「子の会(しーのかい)」結成。同年発売されたCD琉球舞踊曲集・野村流に歌三線として収録に参加。
▶沖縄ちゅらサウンズ♪ 音源視聴・購入はQRコードから