ハイサイみなさん、タハラです。
今週のディスクレビューでは
夏ももうすぐ、ということで
ジブリ映画の曲を沖縄テイストにアレンジしたカバー集
『ジブリんちゅ』をご紹介します。

スカのリズムでJ-POPをカバーし、
沖縄出身のシンガーによるボーカルや三線を入れた
『LOVERS SKA』や『琉球レアグルーヴ』など、
数々の企画CDをプロデュースしてきたDJ SASAが贈るこの作品は、
タイトルからも分かる通り、ジブリ作品のテーマソングをレゲエのリズムに乗せた癒し系CD。
今年の夏にピッタリの一枚です。

東京在住ながら、よく沖縄に出没する DJ SASAが
国際通りを散歩中に浮かんだアイディアを形にしたもので、
ボーカルには、仲田まさえ、村吉茜、あびこめぐみの3人を迎え、
ツイッターで知り合ったという沖縄出身のシンガーソングライター、岡村聡士氏を三線に、
そして北谷のアメリカンビレッジ内の店舗を拠点に活動中の
もじ書きアーティスト、いち氏によるジャケットデザインを採用するなど
沖縄テイスト満載の作品に仕上がりました。

内容は沖縄テイストを加味した癒しレゲエを軸に、
スカあり、ラバーズあり、また生音メインの楽曲あり、
そして打ち込みメインの曲もありとバリエーションも豊富。
チャンプルー感覚満載の一枚に仕上がっています。

1. やさしさに包まれたなら（魔女の宅急便）
ユーミンの曲としても有名なこの曲は、
89年に公開された『魔女の宅急便』で使用されました。
波の音で始まるこの曲で一気にリゾート気分を味わえます。
ボーカルは仲田まさえ。歌声だけでなく囃子にも彼女独特の優しさで満ちあふれています。

2. さんぽ（となりのトトロ）
久米島出身の村西茜がボーカルを取るこの曲は、彼女の節回しとおもちゃのピアノ、
そして手拍子が楽しく絡む「チャンプルー感覚」が満載。
88年公開『となりのトトロ』より。
タイトル通り、さんぽしながら聴きたい一曲。

3. 風の谷のナウシカ（風の谷のナウシカ）
栃木県出身で東京在住のあびこめぐみのスタイルは、
いわゆる「オキナワンこぶし」とはひと味違うテイストですが、
それがこの作品ではまた絶妙なバランス感覚を醸し出しています。
84年公開の同名映画のシンボルテーマソング。

4. となりのトトロ（となりのトトロ）
「さんぽ」同様、98年公開の同名映画のエンディングテーマ。
沖縄音階を取り入れたイントロやフレーズが散りばめられながらも
リズムはラバーズロック風と程よくチャンプルーされた楽曲。
ボーカルは仲田まさえ。

5. テルーの唄（ゲド戦記）
浮遊感漂うシンセと鍵盤ハーモニカが心地よいこの曲は、
06年公開の『ゲド戦記』より。ボーカルはあびこめぐみが担当。
今作中最もダブっぽいということもあり、僕のお気に入りトラックに決定（笑）。

6. もののけ姫（もののけ姫）
97年公開の『もののけ姫』は、米良美一が歌う主題歌とともに大ヒットを記録。
今作中唯一聴くことのできる間奏のオカリナに癒されます。
最大の聴きどころといっても過言ではないでしょう。
ボーカルは仲田まさえ。

7. Arietty’s Song（借りぐらしのアリエッティ）
10年公開の『借りぐらしのアリエッティ』の主題歌。
3拍子ということで、今作中最もレゲエっぽさの少ないアレンジに仕上がっています。
ボーカルはあびこめぐみ。

8. 崖の上のポニョ（崖の上のポニョ）
08年公開の同名映画の主題歌。
原曲を歌った藤岡藤巻と大橋のぞみが紅白歌合戦にも出場するなど
映画同様にこの曲も大ヒットしたのは記憶にも新しいところ。
今回は完全にスカに生まれ変わったと言っても過言ではないこのアレンジは、
曲のイメージにピッタリ。ボーカルは村西茜。

9. 君をのせて（天空の城ラピュタ）
レゲエのリズムなのに、どこかジャズっぽさも漂うちょっと不思議な楽曲。
ダブの要素も含んだアレンジが僕の心も捉えました（笑）。
ボーカルは仲田まさえが担当。

10. カントリー・ロード（耳をすませば）
このアルバムのラストを飾るのは、95年公開『耳をすませば』のエンディングテーマ。
三線やシンセだけでなく、ドラムマシンやエフェクターなども多用し
チャンプルー度高めのラブリーなアレンジに仕上がったナンバー。
ボーカルは村吉茜。

【ジブリんちゅ】
ARTIST：DJ SASA with THE ISLANDERS featuring 仲田まさえ、村西茜、あびこめぐみ
CD TITLE：『ジブリんちゅ』
RELEASE：11年5月25日
PRICE：2,300円（tax in.）
CODE：KICS-1667
MySpaceで試聴できます。