2012年9月21日
小中高校での組踊鑑賞会
組踊の魅力 02
文|新垣俊道(伝統組踊子の会)
「子の会」は、小中高校の「芸術鑑賞会」において組踊を紹介している。会場は体育館や会館を貸し切るなど学校によってさまざま。
組踊は古くて退屈なものと印象を持つ人は多く、若年層ともなると尚更で、この印象をどう払拭するかは大きな鍵だ。生徒達をどう引き付けるか、常に創意工夫が要求される。「子の会」では案内役を設け、冗談を交えながら楽器紹介やダイジェストを行うなどの工夫をしている。楽器紹介は簡単な説明の後、Jポップなどの楽曲を演奏し音色を紹介している。ダイジェストでは生徒の中から共演者を募っている。大抵は、その学校の人気者が勢いよく手を挙げるが、威勢のよい生徒もいざ舞台へ上がると緊張でおとなしくなる。逆にオーバーな演技をして、会場を沸かせる人もいて実に面白い。ダイジェストの後は、いよいよ本編の上演。意外な所で笑ったり、中には堂々と寝ている人もいる。それはそれで良い。生徒達の率直な反応は新鮮に感じる。
これまで数十校を廻ってきた。組踊に興味を持った人はどの程度いるだろうか。今後も地道な活動を続けていきたい。今秋、芸能の島である八重山の高校生達に組踊を紹介する。八重山の生徒達はどう反応するか楽しみだ。しっかり準備して組踊の魅力を伝えたい。
首里城公園「冊封使が見た
中秋の宴・重陽の宴 特別公演」
日程:2012年9月29日(土)
時間:18:30開演
場所:首里城公園
新垣俊道 PROFILE
国立劇場企画公演や県内外の公演に多数出演。08年国立劇場おきなわ組踊研修を修了し、伝統組踊「子の会(しーのかい)」結成。同年発売されたCD琉球舞踊曲集・野村流に歌三線として収録に参加。
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