2025年5月19日
100 oki songs gravure|100年先に伝えたいおきなわのうた
「艦砲ぬ喰ぇーぬくさー」作詞・作曲 比嘉恒敏
沖縄には未来の子供たちに伝えていきたい大切なものがたくさんあります。沖縄のうたもそのひとつ。沖縄のうたは、私たちの暮らしの中にとけ込み、私たちを支え、励まし、時に癒し、時に気づきを与えてくれます。そんな「100年先に伝えたいおきなわのうた」をシリーズで掲載。今回のテーマ曲は、「艦砲ぬ喰ぇーぬくさー」。戦後80年、「非戦の想い」新たに。
photo: ジャン松元
「艦砲ぬ喰ぇーぬくさー」歌詞
1)若さる時ねー 戦争ぬ世
若さる花ん 咲ちゆーさん
家ん元祖ん 親兄弟ん
艦砲射撃ぬ 的になてぃ
着るむん喰えむん むるねーらん
スーティーチャー 喰でぃ 暮ちゃんやー
うんじゅん わんにん 汝ん わんにん
艦砲ぬ喰ぇーぬくさー
2)神ん仏ん たゆららん
畑やカナアミ 銭ならん
家小や風ぬ うっ飛ばち
戦果かたみてぃ すびかってぃ
うっちぇーひっちぇー むたばってぃ
肝や誠どぅ やたしがやー
3)泥ぬ中から 立ち上がてぃ
家庭むとぅみぃてぃ 妻とぅめてぃ
産子ん生まりてぃ 毎年産し
次男三男 ちんなんびー
哀りぬ中にん 童んちゃーが
笑い声聞ち 肝とめぇてぃ
4)平和なてぃから 幾年か
子ぬ達ん まぎさなてぃ居しが
射いやんらったる ヤマシシぬ
我が子 想ゆるぐぅとに
潮水又とぅ んでぃ思れー
夜のゆながた 目くふぁゆさ
5)我親喰ゎ たる あの戦争
我島喰ゎ たる あの艦砲
生りてぃ変わてぃん 忘らりゆみ
誰があぬじゃま 強いいんじゃちゃら
恨でん悔でん 飽きじゃらん
子孫末代 遺言さな
「艦砲ぬ喰ぇーぬくさー」解説
読谷村楚辺出身の故比嘉恒敏氏は、実体験を基に「艦砲ぬ喰ぇーぬくさー」を制作した。戦中、長男を「対馬丸」で失い、大阪の空襲で妻と次男を、そして父までをも失った。戦後、沖縄で再婚し四名の姉妹民謡グループ『でいご娘』を誕生させる。比嘉は、こよなく歌、三線を愛した。過酷な戦世と戦後を生きた体験が歌の力となり、共感の輪が広がった。「恨でぃん悔でぃんあきじゃらん、子孫末代まで遺言さな」はまさに県民共通の願いだ。しかし、1973年、恒敏と妻の乗った車に飲酒運転の米兵が突っ込み、ふたりとも他界するという凄惨な最期を遂げる。
戦争とは何なのか。人類は、文明を発展させるために愚かな争いを繰り返してきた。歌碑があるユウバンタでこの歌に触れ、それぞれで感じ、それぞれで意味を紐解いて欲しい。私たち世代が引き継ぎ語り継いでいかなくてはいけない。「子孫末代まで遺言さな」。戦後80年、「非戦の想い」新たに。
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