沖縄 本土復帰50年特別企画｜100年先に伝えたいおきなわのうた「ドゥチュイムニィ」

「ドゥチュイムニィ」
作詞・作曲　佐渡山豊　※歌詞一部抜粋掲載

わったー島や沖縄ぬ　
　　　　　コザの街るやいびいしが
　　　　　　　　　　中の町んかい家ぐわぁ借とーる　
いっぺーぼうちら童ぁやさ

唐の世から大和ぬ世　
　　　　　大和の世からアメリカ世
　　アメリカ世からまた大和の世　
　　　　　　　　　　　ひるまさ変わいるくぬ沖縄

人に飼われた鳩よりも　
　　　　　　　すずめの方が俺は好き
　金吾バチの出目金よりも
　　　　　　　　　海に生きるタコが好き

錆びたナイフを眺めては　
　　　　　切れるナイフに憧れた
　　　　　　　研がれたナイフを手にしても　
　　　　　　　　　　　　 悲しくなるのは何だろう

同じアジアの空の下　
　　　恨みに重ねるあだ花よ
　　　　　　心いさめる憂愁の　
　　　　　　　　風よ優しく吹いてくれ

もしもあんたが
　　　時間の果ての　
　　　　　　崖っぷちに立たされて
　　　死ななきゃ
　　　　　　ならねぇ定めなら　
　　　何を思って死ぬのかよ

明日の自分を
　　　　生きるより　
　　今の一時を生きてゆく
　　　　　　そんな姿が何よりも
　　　　生きてる証に
　　　　　　　　　　ならねえかよ

あなたのうつる鏡には　
　　僕らの時代が見えますか
　　　　　　　僕らのうつる鏡には　
　　　　貴方の歌が聴こえます

疑うことから始めようか　
　　信じることから始めようか
　　　　時々こんがらがることもあろう　
　　　　　　　　　　　　優柔不断の曼珠沙華

Photo：沖縄復帰50年平和コンサート 佐渡山豊 & 国吉亮 トーク&スーパーライブ 岡山県津山市 2022年8月18日開催 撮影：橋本真由美

佐渡山「ドゥチュイムニィ」について
佐渡山豊の「ドゥチュイムニィ」は、1972年、沖縄フォーク村のオムニバスアルバムに収録され話題となり、翌73年にエレックレコードから全国リリースされた。戦後、沖縄が抱え続ける矛盾、ウチナーンチュ（沖縄人）の心の叫びをストレートに歌ったメッセージソング、おおいなる独り言なのだ。佐渡山は、この歌を歌い続けるなかで、アップデートを欠かさない。現在までなんと70番まであるという。この歌の誕生、そして沖縄本土復帰から50年、「ドゥチュイムニィ」は、常にいまの沖縄の課題を炙り出しているのだ。忘れてはならない記憶を辿りつつ、我々沖縄県民それぞれが進むべき道を見いだすことができる曲でもある。それぞれの「ドゥチュイムニィ」が沖縄の未来を豊かにする。昭和に生まれた「ドゥチュイムニィ」は、令和の現在も進化し続けているし、それぞれの「ドゥチュイムニィ」はこれからも生まれ続ける。

上記の歌詞は、佐渡山豊の「ドゥチュイムニィ」から、筆者が感銘を受けた部分の抜粋掲載

【佐渡山豊 PROFILE】
1950年、コザ市出身。1973年、エレックレコードからデビュー。6枚のアルバムを発表する。1978年以降、音楽活動を休止。1994年、友川かずき、三上寛とのイベント「トラ・トラ・トラ」で活動を再開。1996年「ドゥチュイムニィ」が泡盛のCMに起用されて話題になり、翌年アルバム「さよならおきなわ」をリリースして完全復活した。以後、精力的に活動を展開。2020年10月、ニューアルバム「やっとみつけたよ」をリリースする。代表曲に「ドゥチュイムニィ」「変わりゆく時代の中で」「人類館事件の歌」など。
詳細：佐渡山豊 Website

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