2020年12月17日
Singer Song Guitar 100 OKI_INTERVIEW
沖縄民謡、その先に生まれるもの
仲宗根創の沖縄民謡とR∞2の沖縄音楽
沖縄民謡は人々の暮らしに寄り添い、少しずつ変化しながら伝承されている。仲宗根創は、民謡界の重鎮である登川誠仁や松田弘一に師事し民謡の基礎を一から学び、その技術と精神性を昇華し、現代へと伝えている。変えてはいけないものと進化するべきもの。「沖縄民謡、その先に生まれるもの」をテーマに進化し続ける仲宗根創の沖縄音楽について掘り下げるスペシャル・インタビュー。
Photo,Interview & Text:幸田悟
ーー沖縄民謡を始めたキッカケは?
仲宗根創 うちのじいちゃんが沖縄民謡教室に通っていて、3歳のころからそのあとをウーヤーウーヤーして(追いかけて)ました。民謡教室で孫の手を見つけて、それに輪ゴムを三本かけて、自分専用の孫の手三線を作って、見よう見まねで弾いてました(笑)。
ーー登川誠仁さん、松田弘一さん、ふたりの偉大なる師匠に師事しました
仲宗根 小学校三年生のころに、早弾きに魅せられて松田弘一先生に師事しました。弘一先生は、歌手、三線早弾きプレーヤーでありながら、作曲家でもあるという点。これまでに本当に素晴らしい名曲をたくさん残してます。モーアシビー(毛遊び)的な、即興ソングも場の空気を捉え魅了します。さらに、歌、三線のみだけでなく、寸劇芝居(喜劇)も得意。毎年恒例の母の日公演では、舞台を構成・演出し、お客様に大変喜んでいただきました。エンターテインメントに関しては、万能な才能の持ち主だったと思います。さらに、先人をリスペクトし、古き良きものを探求する努力家でもありました。音楽的な知識も豊富で、先輩方からも頼られる沖縄民謡界の知恵袋的存在だったんです。
登川誠仁先生に師事したのは15歳のころ。先生は民謡界の「ジミ・ヘンドリックス」と呼ばれるほどの早弾きの名手でした。そして、アイデアマンでもあり、何十曲もの民謡曲メドレー「民謡節渡り」を生み出したことでも有名です。民謡工工四(楽譜)を多く出版されているんですが、それまで工工四というと三線の楽譜だったんですが、三線とともに声楽符をつけたのも先生が初だと言われています。さらに、ソウル・フラワー・ユニオンとセッションするなど世代やジャンルを超えたコラボレーションを行い沖縄民謡の可能性を広げてくれました。「楽しくてこそ歌、音楽」を生涯貫いた素晴らしい師匠でした。ふたりの師匠に共通していたのは、「お客さんを楽しませること」を1番においていたということ。私もいつも心がけてます。
ーー後進の育成にも力を入れてますね
仲宗根 沖縄市で民謡研究所を開いてます。下は4〜5歳の幼児から、60代の先輩まで、40名くらいの生徒さんがいます。弘一先生の教えでもある「子供のうちは自由に、楽しんでやること」をしっかりと受け継いでやってます。民謡が好きになってここから大きく育ってくれると嬉しいです。
ーー30代になったばかりと、若いだけあってSNSなども積極的に活用してます。沖縄民謡を通して世界のウチナーンチュとの交流も活発に行なってますね
仲宗根 そうですね、沖縄にいながらにして県外や海外の方々と繋がることができるし、特にコロナ禍においては、必需品となってます。例年5万人以上の来場客が訪れるハワイ最大の民族フェスティバル『オキナワン・フェスティバル』に毎年参加していたのですが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、インターネットを通したバーチャル開催となりました。移民で行かれた先輩たち、その子孫である3世、4世の方がほんとうに一生懸命、沖縄文化を継承されている。その熱意に胸を打たれて、涙が出ました。この感動を「ウチナーンチュ」という歌にしてフェイスブックで配信したんです。そしたら、それをたまたまハワイのラジオ局「KZOOハワイ」の「かりゆしとともに」という番組でパーソナリティーをやってらっしゃる方が聴いてくれていて、その番組にリモート出演し、曲も流してくれたんです。先輩たちが築いてくれた、海外の人たちとの交流の輪も、僕たちの世代でさらに広げていければと思います。
ーー仲宗根創として新しいプロジェクトをスタートしています
仲宗根 そうなんです、沖縄音楽を基軸とした新しい音楽作りをしたいと思い、制作・実演・プロデュースを行うことにしました。民謡の活動の名義は「仲宗根創」、そしてこのプロジェクトは「R∞2」という名義で、しっかり区別して活動することにしました。2018年に沖縄で開催されたバスケット・イベントのオープニング・テーマ曲を作ることになったことがキッカケです。ラップやEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)などの新しい音楽の要素に、沖縄音楽をミックスした新しいサウンドを追求したくなりました。昨年、組踊が300周年という節目だったので組踊を創始した玉城朝薫さんをテーマに曲を作ることにしたんです。考えてみれば、組踊はもともと日本や中国にあった芸能の様式を取り入れて生まれたもので、言わばミクスチャーです。それで僕は、現代詞の部分をラッパーの鉄ちゃんさんに、そして唱えは玉城流三代目家元、玉城盛義さんにお願いし、「NeoSoul琉球」という曲を完成させました。動画サイトYouTubeにアップしたところ、おかげさまで大きな反響をいただきました。
ーーその他のコラボ曲も続々と誕生!!
仲宗根 八重山唄者、鳩間可奈子さんをフィーチャーした「サトゥマイ」、ティーンの女性シンガー、かもはられなさんに参加していただいた「いちまでぃん」、読谷村出身のシンガーYona Yuuさんと沖縄レゲエの大先輩PLATYさんをフィーチャーした「THINSAGU」など続々と曲が誕生してます。2020年10月25日から一曲ずつサブスクで配信開始してます。チェックしてしていただけると嬉しいです。
ーー最終的にはアルバムになるのですか?
仲宗根 来年初旬にアルバムとしてリリースできればと思ってます。ぜひ、応援してください!
ーーそのときには、またぜひ話を聞かせてください
仲宗根 ありがとうございます!!
ーー仲宗根さんにとって沖縄民謡とは
仲宗根 沖縄のこころです。沖縄民謡は僕の根底に流れ続け、常に向き合っています。「変えてはいけないこと、進化していくべきところ」、それをしっかり見極めて、これからも学び続け、精進し活動していきたいと思います。
【仲宗根創 PROFILE】
1988年、那覇市生まれ。3才頃より祖父の影響を受け、民謡を歌い始める。1994年から本格的に三線を習い始め、1997年には松田弘一に師事。2000年、照屋林賢プロデュースの民謡歌手オーディションでグランプリを受賞し、アルバム『アッチャメー小』でCDデビュー。2003年より登川誠仁に師事。2013年に2ndアルバム『歌ぬ糸』、2016年サードアルバム『辿~Ten~』をリリース。現在は県内外でライブ活動をする傍ら、民謡研究所を開いて後進の育成にも取り組んでいる。2018年より「R∞2」名義でも活動している。
【仲宗根創(R∞2) × Singer Song Guitar SPECIAL LIVE MOVIE】
仲宗根創(R∞2) × Singer Song Guitar 沖縄音楽旅行スペシャルライブ。今回は、てぃんさぐぬ花を仲宗根創(R∞2)バージョンを沖縄音楽旅行発行人の幸田悟とのセッションでお届け! ライブ動画をぜひご覧下さい!!
仲宗根創 沖縄ミュージックジャーニー アフタートーク 122
2020年10月2日放送分の収録後のNHK-FM 番組「沖縄ミュージックジャーニー」アフタートークです。今月は仲宗根創さんをお迎えし、お話を伺いました。ヒヤミカチ節のスタジオライブも! 是非ご覧ください!!
What’s Singer Song Guitar?
シンガーソングギターは、世界初!
マイクアンプとギターアンプが一体化したギター!
What’s Singer Song Guitarの特徴
・パーティーに打ち上げに! そしてストリートにビーチに! 歌って弾いて、これ1本で完結!
・ポップなデザインに自分流カスタムも自由自在! お目立ち、大ウケ間違い無し!
・外部入力端子や出力端子も基本スペック。楽屋ギター、
旅先でのデモ録音用ギターとしても活躍間違い無しのプロ・ユース!
詳細: Singer Song Guitar WEB SITE
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THINSAGU(feat. Yona Yuu & PLATY)
民謡歌手として県内外で活躍している仲宗根創が、「R∞2」名義で楽曲制作・プロデュースを開始した。アルバムのリリースに向けて続々と新曲が誕生する中、主要配信サイトおよび各サブスクリプションサービスで、1曲ずつ配信をすることが決定した。その第一弾は、県内で活躍するシンガーYona Yuuとレゲエユニット・U-DOU&PLATYからPLATYが参加した「THINSAGU」。沖縄のわらべ歌として昔から歌い継がれてきた「てぃんさぐぬ花」をオマージュし、新たなエッセンスを盛り込んだ意欲作。ぜひ音源をチェックして欲しい。
【R∞2/THINSAGU(feat. Yona Yuu & PLATY)】
ARTIST:R∞2
CD TITLE:「THINSAGU(feat. Yona Yuu & PLATY)」
RELEASE:2020年10月25日
配信:主要配信サイトおよび各サブスクリプションサービスで配信
いちまでぃん(feat. かもはられな)
どんな時も強く逞しく、そして、いつの世も変わらぬ愛を与え続けてくれたこの島に感謝を。
「feat.かもはられな‘」でお届けするR∞2(ルーツ)配信第二弾!!
自然も、人々も、全てが心ひとつであるように、
愛と平和の願いを込めて……。
いちまでぃん。
【R∞2/いちまでぃん (feat. かもはられな)】
ARTIST:R∞2
CD TITLE:「いちまでぃん (feat. かもはられな)」
RELEASE:2020年11月21日
配信:主要配信サイトおよび各サブスクリプションサービスで配信
サトゥマイ (feat. 鳩間 可奈子)
想いは胸に……。
そして、遠ざかる船を見送ることしかできなかった……。
厳しい時代背景の中、切なくも強く運命を生き抜いた女性の姿を、
エッジの効いたEDM(エレクトロ・ダンス・ミュージック)サウンドに
琉球楽器を乗せて幻想的に表現した心締め付けられる悲恋チューン。
八重山に伝わる悲恋物語を元に描いた今作は、
feat.鳩間可奈子でお届けするR∞2(ルーツ)配信第三弾!
【R∞2/サトゥマイ (feat. 鳩間 可奈子)】
ARTIST:R∞2
CD TITLE:「サトゥマイ (feat. 鳩間 可奈子)」
RELEASE:2020年12月19日
配信:主要配信サイトおよび各サブスクリプションサービスで配信
R∞2 「THINSAGU(feat. Yona Yuu & PLATY)」
R∞2-NeoSoul‘‘琉球’’(feat.鉄ちゃん〈Ryukyu Kumiodori Chant:玉城流三代目家元 玉城 盛義〉
詞 鉄ちゃん 曲 R∞2 編曲 KUGANI
先人の伝え残した昔歌を「辿る」
仲宗根創の渾身のサード・アルバム
3年ぶりとなる「辿」は、さらに琉球民謡の深淵に入り込んだ意欲作。先人が伝えた昔歌のルーツを実直に辿りつつ、16曲中9曲を占める新作は、先人から受け取ったコアな部分を大切にしながら、自身のオリジナルへと繋げている。昔歌はどれも比較的有名曲だが、チョイスされた歌詞は珍しいものが多く、熱心な民謡ファンにおいても新たな発見がある。ともするとアカデミックで玄人向けな歌い手と捉えられそうだが、ボーナストラックのライブ音源を聴けば、目の前の客を精一杯喜ばせようとする姿勢が伺え、バランス感覚のある唄者であることがわかる。(RELEASE:2016年7月15日)
【仲宗根創/辿-Ten-】
CODE: 2FEE-001 PRICE:2,315円(without tax)
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