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2019年3月22日

組踊の魅力28 新垣俊道(伝統組踊子の会)|沖縄音楽旅行Vol.30 連載コラム

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タイトル:組踊300周年!

組踊の魅力 28
文|新垣俊道(伝統組踊子の会)

平成も残すところ、あと僅か。新元号については何かと話題になっている今日この頃、今年は日本全体が大きな節目となるであろう。

実は組踊にとっても2019年は重要な年である。すでにご存知の方もおられるだろうが、今年は組踊初演から300年の節目なのである。

組踊は1719年、尚敬王の冊封の際に初演され大変好評を博したと伝えられている。組踊の創始者は玉城朝薫。朝薫は能・狂言や歌舞伎、そして中国の芸能を参考に琉球の故事を題材にして、これまでにはない新しい芸能である組踊を創り上げたと言われている。朝薫は「二童敵討」「執心鐘入」「銘苅子」「孝行之巻」「女物狂」の五つの作品を創作しており、この五つの作品を「朝薫五番」と称している。この五番は組踊の基礎となっており、現在でも上演機会の多い作品となっている。

組踊は時代に翻弄されながらも幾多の困難を乗り越え今日まで継承されてきた。300年という長い間に一体どんな人物が関わってきたかを考えるとロマンを感じるし、継承に尽力した先達を大いに讃えたい。しかし、喜びだけではない。組踊をしっかりと継承し次世代に伝えていくことへの責務もひしひしと感じている。300年を機に組踊のさらなる発展など色々と考えさせられる一年になりそうだ。

組踊公演情報 沖縄音楽旅行INFORMATION


国立劇場おきなわ開場十五周年記念特別公演、創作組踊「人盗人」新組踊「もどろみゆ華の命」が2019年3月23日(土) 国立劇場おきなわ 大劇場にて開催。本公演では、戦後、組踊界を牽引してきた眞境名由康氏、宮城美能留氏の創作作品を取り上げます。組踊「女物狂」を脚色した創作組踊「人盗人」と、阿麻和利の最期を描いた新組踊「もどろみゆ華の命」を同時上演! 二作品とも、現在の新作組踊の先駆けとなっており、当劇場自主公演は初上演となります。豪華な配役による舞台をご堪能ください。

国立劇場おきなわ開場十五周年記念特別公演 
創作組踊「人盗人」新組踊「もどろみゆ華の命」

日程:2019年3月23日(土)
時間:14:00 開演
料金:3,600円
会場:国立劇場おきなわ 大劇場
詳細:国立劇場おきなわ Official Website URL

第一部  創作組踊「人盗人」
作:眞境名由康
立方指導:眞境名正憲
地謡指導:山城暁
【配役】
人盗人/神谷武史 亀松/知念美意子 母/新垣悟 座主/眞境名正憲
小僧/金城陽一 平田智之 童/石垣正城 島袋廉士 樋口桔梗之介
           [地謡]
歌三線/山城暁 仲村逸夫 喜納吏一 箏/仲大千咲 笛/宇保朝輝
胡弓/金城裕幸 太鼓/金城盛松

第二部 新組踊「もどろみゆ華の命」
作:宮城美能留
立方指導:宮城園美
地謡指導:中村一雄
【配役】
阿麻和利/小渡和道 百十踏揚/宮城園美 乳母/金城保子
大城賢雄/玉城盛義 臣下/宇座仁一 池間隼人 語女/中村知子
侍女/松田恵 増田利枝 宮城愛佳 宮城尚子 多和田美幸 知花小百合 伊波渚
きやうちやこ持ち/禰覇夢叶
              
[地謡]
歌三線/新垣俊道 大城貴幸 箏/池間北斗 笛/入嵩西諭
胡弓/森田夏子 太鼓/宮里和希

新垣俊道 PROFILE
国立劇場企画公演や県内外の公演に多数出演。08年国立劇場おきなわ組踊研修を修了し、
伝統組踊「子の会(しーのかい)」結成。同年発売されたCD琉球舞踊曲集・野村流に歌三線として収録に参加。
▶︎組踊公演情報は国立劇場おきなわ ホームページから

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