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2014年6月2日

池田 卓 INTERVIEW 沖縄音楽旅行Vol.11

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池田 卓が生み出す音楽、故郷への想い

西表島 船浮(ふなうき)出身のシンガーソングライター池田卓。2011年に活動の拠点を故郷船浮に移し、日々の暮らしの中で音楽活動を行っている。また、彼自身が故郷船浮の振興発展を願って2007年より企画、プロデュースしている音楽イベント『船浮音祭り』を開催する等、活動は多岐にわたる。彼が生み出す音楽、故郷への想いについてインタビューした。

向かい風が吹いても帆船は進む。
歌も人生もまたしかり

ー2000年のCDデビュー以来突っ走ってきた。音楽 をはじめたキッカケは?
池田 卓 小学校の頃、三線を2年くらい習っていたんですけど「若者の音楽をやりたい」と思って(笑)ギターやピアノなどを弾き始めました。でも野球部に入部したら部活一筋。高校入学してからは、校歌くらいしか歌わなかったです(笑)。振り返って考えてみると学生時代、野球をやっていた事で体が鍛えられ、声量が身についたのだと思います。
高校を卒業して、島の芸能祭に参加した時に、久しぶりに楽器を手にして歌いました。3年間、音楽から離れていた事で音楽の楽しさにあらためて気づいたんです。

ー「島の人よ」が生まれた背景は?
池田 中学進学を機に船浮の島を出ました。常に過疎化と向き合っている島で、幼い頃は「早く島を出たい」と思ってたんです。でも、20歳前後で少しずついろんな苦労をしていく中で「故郷っていいな」って感じることができました。島から出たくて都会に憧れる。でも、同時に「この島のために何かやりたい」という想いは抱き続けていたんです。
20歳前後ってみんなそれぞれ夢を抱き、それぞれの場所で必死に生きている。僕自身もそうでした。だから、「島に帰ってこい」ということではなくて、「年に一度の島の祭りや運動会の時には、帰って来て賑やかにやろうよ」というスタンスなんです。実際、島には若い人も少なくて、サバ二の漕ぎ手も2〜3人くらいしかいない。でも年に一度みんなで「祭り」をすることで、また一年がんばれる。「島の人よ」には、そういう想いが込められているんです。

ー2011年拠点を船浮に。日焼けもして一段とたくましくなった感じがします。島の暮らしはいかがですか?
池田 もう最高ですね! 実家が民宿をやっているので、お客さんがいるときはマングローブを見に行ったり、島の案内をしています。海でもずくを穫ったり、山で竹の子を採取したり……。今の季節だと、シークワーサーの花の状態をチェックしたり、雨が降れば畑の雑草を刈る。時間毎、季節毎にやることがある。まさに自然との共存で、島の恵をいただくという感じです。

ーそんな暮らしの中で、昨年、5年ぶりのオリジナル・アルバムをリリースしました。
池田 アルバムタイトルを『sale 〜帆〜』と名付けました。帆掛け船って向かい風でも前に進むんですよね。帆の操り方ひとつなんです。それって、人生に似てるなと……。例えば、厳しい事を言われた時。それをどう受け取るか、どう感じ取るかによって、その後の行いも生き方も変わってくる。向かい風を受けたとしても、どうにかして前に進んでいくかなんですよね。そういう意味も込めてみました。

ー今回は、バラエティー豊かなラインナップですね。特に「香りの街の少年」は、今までに無いスタイルの曲。
池田 この曲は、中東での海外ライブ経験がそのまま歌になった曲。シリアという国にを旅したときの事。僕は、到着した時にすでにお土産等は購入済みだったので、ショッピングをする仲間と外れてひとりで景色を眺めてました。するとその少年がやってきて、自分のお小遣いで小さな石鹸を購入し、僕に手渡してくれたんです。きっと「この人は、貧しくてお土産も買えないんだ」と同情してくれたんでしょうね。その優しさに触れた時に、ほんとに感動しました。その少年との出会いを歌にしたのが「香りの街の少年」です。

ー2007年よりスタートしている『船浮音祭り』についてお話を。
池田 この島には、娯楽が少ないんですよね。だから島の子どもたちに、プロのミュージシャンの一流の音楽を楽しんでもらって元気と夢を与えることができればと思ってるんです。この「祭り」を通して多くの方に島を知るキッカケになれば……。それが、島の元気の素となって繁栄に繋がればさらに良いですね。手作りのイベントですけど、参加したアーティスト、お客さん、島の人たちが一体となって楽しむ、そんな「祭り」です。毎年4月に開催してます、ぜひ一度足を運んでください。

ー卓さんの夢は
池田 500年の歴史がある豊年祭を復活させたいんです。そのためには、しっかりと農業ができてないといけない。お年寄りが活躍する場、そして島の産業……。時間がかかるかもしれないけど、島の農業の再生を目指して頑張ります。「ああなったらいいな、こうなったらいいな」という未来に対するいろんな希望はあります。でも、まずは、その日一日です。島の恵みに感謝し、精一杯生きる事が明日へと繋がると思うんです。日々の生活を楽しく、精一杯です! そうすることで、また新しい歌とも出会えると思います。これからも応援、よろしくお願いします。


NHK-FM 番組 沖縄ミュージックジャーニー AFTER TALK MOVIE 050
2014年4月4日放送分の収録後のアフタートーク

【池田 卓 PROFILE】
西表島にある人口40人の船浮[ふなうき]という小さな集落で生まれ育つ。中学・高校は野球に没頭し沖縄水産高校の投手として活躍、19歳の夏、島の芸能祭に参加したのをキッカケに本格的に音楽活動を開始。2000年10月「島の人よ」でCDデビュー。2007年より、船浮にて『船浮音祭り』を企画・プロデュース。2008年以降は中東や北米地域での海外ライブにも出演、活動の幅をさらに広げている。2011年、活動拠点を沖縄本島から船浮に移し、生まれ故郷から「島への思い」を発信し続けている。

【池田卓/Sail~帆~】
ARTIST:池田卓
CD TITLE:『Sail~帆~』
RELEASE:13年12月3日
PRICE:2,500円(tax in)
CODE:PAIN-0021
詳細:池田卓 WEB SITE
内容:西表島を拠点に活動中の池田卓。ベストアルバム凪~なぎ~から3年半。
新曲収録のアルバムでは5年ぶりのリリースとなるSail~帆~。
タイトルのSail(せいる)は帆のこと。無風では進めない帆船。
人生に吹き荒れる風も、帆を上げてしっかりと風を受けて進みましょうとの意。
島の生活に憧れていた池田が、島に戻って待望の1作目。
海に出たり農業をしたり狩りをしたりと、
島の生活から生まれてきた歌との期待も大きいが、
5年間ため込んだポップなナンバーで構成。
とのことだが、池田が作るポップは島の匂いに満ち溢れている。

高校球児をテーマにした「声援」30~40代の同世代にむけた
「頑張り時の皆様へ」介護を送る母に作った「お日さまの絵」
中東シリアでの出逢いから生まれた「香りの街の少年」
娘へ贈る「君だけの子守唄」
最終的な目標である父を歌った「いつか…」
人間、人生、出会い、自然、言葉、逆境、捉え方。
いつものテーマが、軽快なナンバーにちりばめられています。

池田 卓  東京&大阪 LIVE
東京:14年5月17日(土)、18日(日)
会場:こだま
住所:東京都江戸川区南小岩7-27-16
大阪:14年5月29日(木)、30日(金)
会場:琉球ば~ 南ぬ風
住所:大阪府淀川区西中島1-9-16 
料金:前売り 3,000円
詳細:池田卓 WEB SITE


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