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2024年5月25日

高橋樺子の ウチナーしまぐくる「さっちゃんの聴診器」編|沖縄音楽旅行Vol.51 連載コラム

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高橋樺子のウチナーしまぐくる「さっちゃんの聴診器」編|沖縄音楽旅行Vol.51 連載コラム

なにわの歌姫、高橋樺子。沖縄移住のふれあいのなかで島の心を育んできました。連載コラムのシーズン2は、私がこれから大切に歌い続けていきたい歌、「さっちゃんの聴診器」について書き記していきます。

「さっちゃんの聴診器」さっちゃんのお兄さんの手記
文|高橋樺子/矢島敏

まいどごきげんさん! 若夏をむかえティダの光を浴びパワーが漲る高橋樺子です!! 今回はさっちゃんの聴診器の作曲家さっちゃん先生のお兄さん、矢島敏さんにバトンタッチしてお話してもらおうと思います。宜しくどうぞ〜。

少しは成長したのか? と問われれば、そこは疑問が残りますが、僕はそれまで沖縄三線の演者であり、先生であり、パッとしないミュージシャンの端くれだったのです。

ある日、NHKのドキュメンタリー番組を観たという方から家族に連絡がありました。その番組は僕の妹が大阪の釜ヶ崎で行った医療活動、ボランティア活動を伝えていました。それが、釜ヶ崎人情、花街の母の作詞家である、もず唱平先生と家族との最初の出会いでした。その後、もず先生は僕を何度か食事に誘ってくれました。その度に妹のこと、家族のこと、自分のことを話しました。もず先生はその話を熱心に聞いてくれました。

2009年に妹が亡くなって翌年から毎年、釜ヶ崎では妹を偲ぶ集いを開催してもらっています。生前の彼女の行為を忘れない人たちが集いを継続してくれました。丁度10年を数えるちょっと前の2018年11月に、僕らの生まれ故郷である群馬県高崎市では初めての偲ぶ集いを行いました。そこに、もず先生が参加してくれたのです。集いも終盤に差し掛かった頃に、もず先生が挙手され、そして発言されたのです。「さっちゃんの歌を書きます」。周りの人がどよめいたように記憶しています。もず先生の緊張感漂う、そのシンプルなメッセージに、会場の空気を震わせる力がみなぎっていたのを覚えています。その後、周囲では、本当に書いてもらえるんだろうか? とか、曲は誰が書くのか? など話題は尽きませんでしたが、ある日、僕のところに「矢島祥子さんに捧げる さっちゃんの聴診器」と名付けられた詩が届いたのです。

釜ヶ崎のライブバー「難波屋」にて歌の初お披露目の際に、先生と、高橋樺子さんが来てくれました。二人はリハーサルから店のカウンターで演奏を聴いておられ、僕は極度の緊張に襲われました。歌い終えた時、お二人は立ち上がって拍手をしてくれました。それを見てホッとすると同時に緊張の手や顔の痺れに初めて気づいたのです。僕にとっての「さっちゃんの聴診器」という旅が始まった、瞬間だったのではないでしょうか。

【写真キャプション】
❶ 「さっちゃんの聴診器」発売記念ライブ ❷さっちゃんの聴診器発売を知らせる新聞記事 ❸小池可奈さんと共に、さっちゃんの聴診器CD ❹銀座で行われたマスコミコンベンションにて。左からもず唱平先生、高橋樺子、矢島敏 ❺レコーディング・スタジオにて編曲家の竜宮嵐先生と共に。写真左から矢島敏 、竜宮嵐先生

ARTIST INFORMATION

【高橋樺子 PROFILE】
2007年関西歌謡大賞 (レコード商組合主催の音楽祭) でグランプリ受賞。 2011年6月 「がんばれ援歌」でデビュー。2015年、戦後70年目を迎え、平和の尊さを訴える祈念歌「母さん生きて」を発表。これは被爆の実話から誕生した曲。2018年1月 「四丁目のスナック」、「宗右衛門町ブルース」 を発売。 2022年より、沖縄に活動拠点を置き、島唄とやまとうたを融合した新しい音楽を追求する作詞家、もず唱平氏の下、自身も三線、三板等の演奏に挑戦中。4タイトル連続リリース第一弾「さっちゃんの聴診器」を2023年1月に、続いて第二弾となる「ウートートゥ」を4月26日に、さらに第三弾として「うりずんの二人」を7月24日にリリースした。
高橋樺子 Official Website
Official YouTube
Official Blog

【高橋樺子 FM那覇番組「聴いてもろて何んぼ」スタート!!】
高橋樺子の FM那覇ラジオ番組「聴いてもろて何んぼ」がスタートしました。毎週金曜日午後10時よりスタート! 番組では、沖縄県内在住の移住者の方で、ふるさと自慢のコーナーに出演していただけるゲスト、並びに、沖縄県内の子ども食堂の情報をお待ちしております! 番組へのコメント、情報は以下! ぜひ、番組作りにご協力ください!!

番組名:「聴いてもろて何んぼ」
放送局:FM那覇 78.0Mhz
放送時間:毎週金曜日22:00〜
パーソナリティー:高橋樺子
Email :info@utadama-music.com
FM那覇:高橋樺子の 聴いてもろて何んぼ
視聴方法:https://www.fmnaha.jp/listen-net
YouTube:FM那覇YouTube

もっと生きたかった誰かの為に……
「平和に生きてゆく」意味を、改めて考えさせられる作品

「さっちゃんの聴診器」の主人公である大阪 西成に実在した女医 矢島祥子さんの半生を、作詞家もず唱平氏が描いたドキュメント。沖縄で研修医として働いていた矢島祥子さんは、研修後、大阪の病院に就職し、その頃からボランティア活動に目覚め、大阪市西成区のあいりん地区にてホームレスの支援活動に従事することになった。その活動ぶりが大変好評で、「西成のマザー・テレサ」との異名までついたが、2009年に不可解な死を遂げてしまう。実兄にあたる作曲の矢島敏氏は、真実を解明する活動を起こすなか、この町には欠かせない応援歌「釜ヶ崎人情」の作家もず唱平氏と出逢い、意気投合、今作品の発表に至った。この歌のメッセージ、それを伝えてく使命を授かったのは、なにわの歌姫 高橋樺子。高橋は、2022年に沖縄に移住し沖縄を拠点に世界中に平和のメッセージを届けたいと準備を重ねてきた。彼女にとって 5年ぶりのシングルとなる「さっちゃんの聴診器」は、沖縄での活動の幕開けの曲であり、平和をテーマに歌い続けてきた彼女にとって、また新たなるスタイルの平和を求めた楽曲でもある。 「もっと生きたかったこの町に、もっと生きたかった誰かの為に」というメッセージが、いまの世の中で「平和に生きてゆく」という意味を、改めて考えさせられる。軽快なリズムと美しいメロディーに乗せて、高橋樺子が軽やかに歌い上げている「さっちゃんの聴診器」、令和の名曲がここに誕生した。

【高橋樺子/さっちゃんの聴診器】
ARTIST:高橋樺子
CD TITLE:「さっちゃんの聴診器」
RELEASE: 2023年1月26日 
PRICE:1,000円(tax in)
CODE:YZUD-15001
詳細:UTADAMA MUSIC OFFICIAL WEBSITE

高橋樺子「さっちゃんの聴診器」Music Video


高橋樺子 INTERVIEW |沖縄音楽旅行Vol.46 WEB版
 沖縄移住し音楽活動を始めた、なにわの歌姫
 高橋樺子が平和の心を届けていく

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